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yayaの奇妙な冒険 第2部:ゼンディカードラフト

yayaの奇妙な冒険 第2部:ゼンディカードラフト

By Daisuke Kawasaki

第一部のあらすじ

 特に英国貴族の末裔というわけでもない日本人MOジャンキーであるyaya3は、イタリアはローマの地に訪れた。

 MOジャンキー同士は引かれあう、というわけではなく、世界選手権と平行して開催されるMOチャンピオンシップに参加するためだ。

 世界選手権のスイスラウンド終了後に開催されるこのトーナメント。世界選手権出場権理も持っているyaya3は、通常の世界選手権の日程をクリアした上で、さらにこのトーナメントを消化しなければならないのだ。

 各国代表選手すら驚くハードスケジュール。

yaya3 「オレが日本代表だったらどうしてたの?」

 ひとには触れてはいけない痛みがある。

 MOチャンピオンシップ初日。スタンダード6回戦を終えたyaya3を待ち構えるのは、MOクラシックという未知のレギュレーションであった。

第一部:ファントム《恐血鬼/Bloodghast》

 一部制限はあるとはいえ、Magic Online上で発行されたすべてのカードを使用できるというヴィンテージとレガシーの中間のようなレギュレーション。

 yaya3が踏み入れたMOクラシックの世界は、ズッギュゥゥンと2ターンキルが決まるかと思えば、1/1クリーチャーの鋭い痛みが、ゆっくりとやってくるっといった消耗の果ての不毛な争い有り、《Helm of Obedience》のライブラリー破壊は世界一ィィィと、一言で言えばカオスな世界であった。

 このカオスの海を、特に特殊な呼吸法というわけではない発掘デックを使い、最終戦でAnathikに敗北するものの、2-1という成績でまとめたyaya3。

 だが、本日は、世界選手権本戦でゼンディカードラフト2回をクリアした上で、さらにゼンディカードラフトをおこなうのだ。

 ドラフトのピック1回はスイスドローの1回戦に相当するという。ハードスケジュールといわれる国別対抗戦ですらスケジューリングされない世界選手権二日目。

 本戦スイスラウンドを終えたyaya3が、MOチャンピオンシップ開催エリアへとあらわれた。「魔神」「鉄人」と言われ、一日のMO時間が20時間とまでいわれるyaya3にも、若干疲労の色が見える。

川崎 「なんか、疲れているみたいですけど、大丈夫ですか?」

yaya3 「MOで疲れるとかないし」


第二部:上陸潮流


 第二部の物語を綴る前に、世界選手権本戦でのyaya3の戦績を簡単にお伝えしよう。

 初日を5-1という好成績で折り返したyaya3だったが、二日目のドラフトは、3-0からの1-2と後半に大きく失速した。

 失速の原因は明確である。yaya3の持病が出たのだ。

 「土地しか引かない病」だ。

yaya3 「最終戦、土地しか引かなかったんだけど!土地しか引かない流れにはいったよ」

 流れの悪いyaya3は、MOチャンピオンシップをどう戦い抜くのか。

■ドラフト

 yaya3は、本日3回目のゼンディカードラフトをするために、マウスを握った。

 開封パックでのファーストピックは《硬鎧の群れ/Scute Mob》。

 ここから《領地のベイロス/Territorial Baloth》2枚に、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》といった上陸デックのキーパーツを集めていく。

 この1パック目で、緑系上陸デッキとしての流れが大体完成した。また、1枚のみだが《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》も確保しており、青緑同盟者への受けも残している。

 そして、この上陸デックへの流れ、潮流が2パック目ではっきりする。

 1手目、そして3手目で《砕土/Harrow》を確保できたのだ。

 取るものが無かったため、《天空のアジサシ/Welkin Tern》を取ったりするものの、途中でHideするyaya3。

 ちなみに、Hideとは、Magic Onlineドラフトの機能のひとつである。

 MOでのドラフトは、現実のドラフトと違い、ピック中に取っているカードを好きなだけ確認することができる。しかも、確認できるだけでなく、MOのウィンドウ内で自由に並び替えをすることが可能であるため、取った色の枚数や、マナ域の確認なども用意だ。

 渡辺 雄也のドラフト記事でも書いたことだが、ドラフト中のマナ域の把握は、非常に重要なテクニックである。MOならば、そのテクニックを身につける入門として非常に適しているので、是非ともお試しいただきたい。

 話をyaya3のドラフトに戻そう。

 追加の《カビのシャンブラー/Mold Shambler》など、それなりにパーツを集めたyaya3だが、この2パック目でひとつ疑問の残るピックがあった。

 6手目で、《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》と《探検者の望遠鏡/Explorer's Scope》が流れてきた時、yaya3は《探検者の望遠鏡/Explorer's Scope》をピックしたのだ。

川崎 「ここは《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》とるかなぁと思っていましたが、《探検者の望遠鏡/Explorer's Scope》ピックでしたね」

yaya3 「まぁ、《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》の方が強い、って見る人もいるかもしれないけど、5マナ域は《領地のベイロス/Territorial Baloth》がすでに2体いるから、慌てて取る必要は無かったね。それより上陸の完成形を目指すなら《探検者の望遠鏡/Explorer's Scope》を拾っておきたいところだよ」

 なるほど、やはり、マナ域の把握と、最終完成形のビジョンはドラフトで重要であるようだ。

 マナ域という意味では、3パック目も重要だったかもしれない。

 低マナ域に不安残るこのデッキでは最高の選択肢のひとつである《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》を2枚も確保できたのだから。

 また、3手目で《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》、4手目で《変わり樹のレインジャー/Turntimber Ranger》という2大レアをピックできるなど、卓内の緑が少ないところを独占しているうまみを十分に満喫した。

 とはいえ、3パック目の序盤2ピックは厳しいもので、2ピック目はタッチ用として《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》、1ピック目にいたっては、《巨森の蔦/Vines of Vastwood》だったのだ。

yaya3 「他に取るもんなかったからねぇ。でも、まぁ、《巨森の蔦/Vines of Vastwood》は嬉しいよ。除去も避けられるし、緑系なら是非欲しいカードだね」

川崎 「あぁ、軽い打ち消し呪文としても使えますもんね。そういえば、yaya3さんの好きなカードってこれですもんね」

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川崎 「ごめんなさい!画像間違えました!」

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yaya3 「このくだり、必要なの?」

 yaya3の構築したデックは以下だ。

上陸潮流
9 《森/Forest》
6 《山/Mountain》
1 《島/Island》
1 《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》
1 《カザンドゥの隠れ家/Kazandu Refuge》

-土地(18)-
1 《硬鎧の群れ/Scute Mob》
2 《板金鎧の土百足/Plated Geopede》
2 《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》
1 《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》
1 《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
1 《放牧の林鹿/Grazing Gladehart》
1 《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》
3 《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
1 《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》
1 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
2 《領地のベイロス/Territorial Baloth》

-クリーチャー(16)-
2 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
1 《探検者の望遠鏡/Explorer's Scope》
2 《砕土/Harrow》
1 《業火の罠/Inferno Trap》

-呪文(6)-

yaya3 「黒単以外での黒メインはダメだし、赤は《板金鎧の土百足/Plated Geopede》以外触りたくない。白は《未達への旅/Journey to Nowhere》と《コーの空漁師/Kor Skyfisher》くらいしか取り柄無い、って考えると、緑が一番やりたいね。青はまぁまぁかな」

川崎 「なるほど、ちなみにこのデッキの点数は何点くらいですか?65点くらい?」

yaya3 「んー、もう一枚くらいは火力が欲しかった。65点はないかな。62点~63点くらい」

 妙に細かい数字をいう、yaya3である。

 スイスラウンド後半戦の土地を引きすぎる流れをそのまま、上陸への潮流とすることができるのだろうか。

 それでは実際のデュエルをみていこう。

Round 1:Char_To_Your_Face

 Game 1は事故り気味の相手に対して、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》を2枚使用して土地を破壊し、勝利。2戦目は《エメリアの天使/Emeria Angel》にまったく触れることができず、トークンのチャンプブロックと飛行クロックに対応しきれずに敗北する。
 そして、Game 3。相手が《エメリアの天使/Emeria Angel》を引くか否かの勝負になる...かに思われたが、対戦相手はWマリガンの上に、土地が2枚で止まってしまう。

 yaya3にしては珍しい、相手を事故らせての勝利である。

yaya3 「まぁ、どっちにしろ、相手より土地は出してたよね」

Round 2:Ivan_Kubich_aka_Striped

 Game 1。赤黒の対戦相手は《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》スタートと好調な滑り出しだが、マナが4マナでストップしてしまう。その隙に《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》と《領地のベイロス/Territorial Baloth》を揃えるyaya3。

 《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》こそ《罰する火/Punishing Fire》で除去されてしまうものの、対戦相手の不用意なフルアタックの隙をついて《砕土/Harrow》での二重上陸がライフを削りきる。

 そして、サイドボーディングで軽いデック用に《野蛮な影法師/Savage Silhouette》を投入したyaya3は、2ターン目にキャストした《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》に3ターン目にエンチャントすることに成功する。

 マナスクリュー気味の対戦相手はこの4/5クリーチャーに対処出来ない。一方のyaya3もマナフラッドでまったく後続を引けていないのだが、そうなれば場に強いクロックが合った方が圧倒的有利である。yaya3が追加でひいた《板金鎧の土百足/Plated Geopede》を対戦相手が3体ブロックし、《砕土/Harrow》での3:1交換が成立したところで勝負あり。

Round 3:Anathik

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 2連勝後の対戦相手は、昨日と同じAnathik。是非とも昨日の雪辱をはらしたいところだ。

 Game 1はyaya3が1ターン目にキャストした《硬鎧の群れ/Scute Mob》が13/13になったところで《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》で飛行を得て、13点のライフをちょうど削りきって勝利。

 Game 2は逆に対戦相手に《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》を活用されてしまう。白緑青同盟者デックを使用している対戦相手は、《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》でyaya3のクリーチャーに飛行を与えると、同盟者をキャスト。《タジュールの射手/Tajuru Archer》の能力で次々と打ち落としていったのだ。

 《カルニの宝石/Khalni Gem》で《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》を再利用され、yaya3のクリーチャーがいなくなり、勝負はGame 3へともつれこむ。

 Game 3はyaya3優位のゲーム展開だった。《砕土/Harrow》でのマナ加速から《領地のベイロス/Territorial Baloth》につなぎ、この《領地のベイロス/Territorial Baloth》を除去しに来た《未達への旅/Journey to Nowhere》を《カビのシャンブラー/Mold Shambler》のキッカー能力で破壊する。

 そして、《領地のベイロス/Territorial Baloth》を対象にした《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》を《巨森の蔦/Vines of Vastwood》でカウンターし、2体目の《領地のベイロス/Territorial Baloth》を召喚する。

 対戦相手は5/6の《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger》をキャスト。手札にもう土地の残っていないyaya3だったが...

 今日の流れは、ここでyaya3に土地を引かせたのだ。


 見事、3-0を達成し、プレイオフへの参加権をほぼ手中に収めた形のyaya3。この勝利への潮流をあすへと継続することができるか。

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