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日本代表チームの足跡:三日目

日本代表チームの足跡:三日目

by "FOREST" Keita Mori

 大混戦。

 二日間12回戦に渡る世界選手権の予選ラウンド途中経過を振り返るにあたって、これ以上にふさわしい言葉があるだろうか?

 年間最優秀プレイヤー(Player of the Year)レースで暫定首位につけている渡辺 雄也(神奈川)が、早くもTop 8進出ラインから姿を消してしまった(*通算5敗)。そんな中、渡辺を追うMartin Juza(チェコ)と齋藤 友晴(東京)がともに通算3敗ラインで健闘しているため、彼らのプレイオフでの活躍による逆転受賞という夢物語が、にわかに現実味を帯びてきたのだ。

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 逃げ切りたい渡辺にとって最後の切り札となるのが、国別対抗戦でのプロポイント加点。その団体戦もまさしく大混戦と評せざるをえない接戦が繰り広げられており、チェコ、日本、ブラジルの三カ国が首位タイに、さらにそれを追う7カ国がマッチポイント9点以内に、つまり1ラウンドで順位が簡単にひっくり返るという距離にひしめきあっているのだ!

中村 「なんとか二連勝したいと思います。それだけです。」

・日本代表

中村 修平(スタンダード)"Jund Cascade"
渡辺 雄也(エクステンデッド)"Dredge"
塩田 有真(レガシー)"Zoo"

■National Team Round 3: 日本代表 vs. チェコ代表

・チェコ代表

スタンダード:"Dark Bant"
エクステンデッド:"Mono Red"
レガシー:"Ad Storm"

・エクステンデッド

 渡辺を追うMartin Juzaの母国がチェコ共和国だ。つまり、自国の代表が日本代表を撃破してくれれば、それによってJuzaの年間最優秀プレイヤー賞逆転受賞が現実味を帯びてくるのだ。

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Juza 「...実際、本調子に戻ったの?」

 Juzaは渡辺を冷やかすためにわざわざやってくる。

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 そんなJuzaの挑発にも、チェコ代表が第1ターンに設置した《血染めの月》にも、まったく動じない渡辺 雄也。

 なんと、後手1ターン目に「土地も何も置かず」ナチュラルディスカードを迎え、《臭い草のインプ》を捨てての超速「発掘」を起動!! 渡辺が鮮やかに先勝してみせる。

 もっとも、第2ゲームでは《貪欲な罠》によって墓地を一掃されたところで《復讐の亜神》からの手痛い一撃を食らってしまう渡辺だったが、第3ゲームで渡辺は素晴らしい力強さを見せた。

 またたく間に《面晶体のカニ》を3体並べた渡辺は、迷いなく対戦相手のライブラリーへ向けて《不可思の一瞥》を見舞う。圧巻だったのはフェッチランドをトップデッキした瞬間で、渡辺は「上陸」で18枚、さらなる《不可思の一瞥》で10枚、合計28枚もの対戦相手のライブラリーを削り落し、一気に「山札切れ」での勝利を飾った。

渡辺 2-1 で勝利

・スタンダード
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 なんとか主将中村の奮闘に期待したいところだったが、《ビヒモスの大槌》を擁したチェコ代表の猛攻により一本目を落としてしまう展開。

 しかし、二戦目では第3ターンの《荒廃稲妻》から、第4ターンに《血編み髪のエルフ》の続唱で《荒廃稲妻》をさらにお見舞いするという会心の一撃を叩き込み、ダメ押しの《包囲攻撃の司令官》で勝利して見せる中村。

 三戦目では"Dark Bant"デッキの猛攻、すなわち《悪斬の天使》、《遍歴の騎士、エルズペス》の猛攻を《終止》と《大渦の脈動》でしのぎ、逆に中村が《包囲攻撃の司令官》と《若き群れのドラゴン》を呼び出して反転攻勢を仕掛ける展開。ただ、これをチェコ代表が《軍部政変》で一掃し、中村も兵士トークンの大軍を《大渦の脈動》で処理するという互角の展開。しかし、消耗戦の末に《野生語りのガラク》を引き当てたチェコ代表に苦杯を甞めさせられることとなってしまう。

中村 1-2 で敗北

・レガシー

 二日間を通じて日本代表の「勝ち頭」として貢献している塩田のレガシーにすべてがかかる展開となり、すべてはその第3ゲームに託さることとなった。

 マナカーブどおりにクリーチャーを展開して殴りかかる塩田の手札には、「ストームキラー」として必殺の輝きを見せる《精神壊しの罠》があった。

 ...しかし、チェコ代表は《渦まく知識》から引き当てた《強迫》で、天敵とも言うべきサイドボードカードを叩き落とし、3ターン目に《暗黒の儀式》連打から《むかつき》!

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 まもなく、《苦悶の触手》が巨大なコピーをスタックに積みあげることとなった。

塩田 0-2 で敗北

Match Results: 日本代表敗北


■National Team Round 4: 日本代表 vs. ブラジル代表

 団体戦としては予選最終戦となる第四回戦目で、今大会屈指の強豪チームと評判のブラジル代表と対戦することとなった。ブラジル代表は主将の"PV"、Paulo Vitor Damo da Rosaがレガシーを担当し、元世界王者でもあるCarlos Romaoがエクステンデッドという布陣だ。

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・ブラジル代表

(スタンダード)"Jund Cascade"
(エクステンデッド)"Thopter Combo"
(レガシー)"Counter-Top-Goyf"

・スタンダード

 今大会を代表するかのような「ジャンド続唱対決」で、第1ゲームの中村は《荒廃稲妻》を乱打され、手札をすべて捨てさせられて完膚なきまでに打ちのめされる展開。

 しかし、昨年度世界最優秀選手でもある中村は第2ゲームに完璧なリベンジを成し遂げた。3ターン目《荒廃稲妻》、5ターン目《包囲攻撃の司令官》、6ターン目《若き群れのドラゴン》!

 さらに、第3ゲームでも中村は《不屈の自然》によるマナブーストで「先に」4マナ域にアクセスし、キッカーの《ゴブリンの廃墟飛ばし》によって敵陣唯一のマルチカラーマナソースを破壊。その上で続くターンに《血編み髪のエルフ》を詠唱するという完璧なゲームメイクを見せて勝利を飾った。

中村 2-1 で勝利

・レガシー

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 苦悶の表情でダブルマリガンを余儀なくされる塩田をよそに、1ターン目に《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》、2ターン目に《相殺/Counterbalance(CSP)》という完璧な動きを見せるPaulo Vitor Damo da Rosa。それでも、なんとか塩田も3ターン目に《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を通すのだが、ここにすぐさま《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が飛んでくる。逆に"PV"に二体の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》を展開されてしまい、文字通りの"CTG"、すなわち"Counter-Top-Goyf"を決めてブラジル先勝。

 第2ゲームでも積極的に動き、T1《渋面の溶岩使い》、T2《クァーサルの群れ魔道士》、T4《遍歴の騎士、エルズペス》と展開する塩田。しかし、PVはエルズペスを《目くらまし》でカウンターし、さらに《炎渦竜巻》で盤面を一掃するファインプレイ。続く塩田の《悪斬の天使》にPVが《剣を鍬に》を、PVの《ロウクスの戦修道士》に塩田が《流刑への道》見舞うという除去の応酬となるが、ここでPVの《遍歴の騎士、エルズペス》が降臨!!

 強すぎる《遍歴の騎士、エルズペス》、強すぎる"PV"。
 やむなく連敗してしまう塩田だった。

塩田 0-2 で敗北

・エクステンデッド

 メインボードから《トーモッドの墓所》を《粗石の魔道士》でサーチできるエンジンを兼ね備えている"Thopter Combo"に対する"Dredge"の相性はかなり不利というのが日本代表の見解。

 実際、渡辺の軍勢を《神の怒り》でいなすブラジル代表Romaoが、まもなく《アカデミーの廃墟》で《トーモッドの墓所》を墓地から再利用できるというモードを完成させるというゲームプランを二戦連続で完遂。元世界王者でもあるRomaoを世界屈指の強豪である"PV"がしっかりプレイング指南するという状況下では、つけこめるようなミスプレイもいっさい起こらない。

 かくして、二枚看板であるCarlos RomaoとPaulo Vitor Damo da Rosaでの勝利という、思惑通りの試合運びを見せたブラジル代表が勝利を飾った。

Match Results: 日本代表敗北

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