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yayaの奇妙な冒険 第3部:スタンダード
yayaの奇妙な冒険 第3部:スタンダード
By Daisuke Kawasaki
第二部までのあらすじ
特に英国紳士の末裔というわけでもない「魔神」yaya3がローマの地に降臨した。
山(《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》)は焼け、すべての生命体が絶滅したかにみえた。
だが、MOジャンキーは死滅していなかった!
MOチャンピオンシップに参加するべく、ローマの地に訪れたyaya3だったが、そこは力、すなわちマジックのプレイスキルだけが支配する世界だった。
しかし、その世界は、むしろyaya3にとっては好都合な世界であった。肉体の拘りから解放され、電脳世界で、yaya3はそのプレイスキルのすべてを解放し、世界は悲しみに包まれた。
カオス環境MOクラシックで、2-1したのちに、上陸デックで3-0を果たし、トップタイの成績となったyaya3。残りを2勝1敗することで、日曜日に開催される栄光のMOチャンピオンシップサンデーに参加することができるのだ。
本戦では惜しくもプロツアーサンデー進出ならなかったyaya3。トップ8に日本勢不在というこの世界で、期待されるのは電脳世界の覇王のみ。
三日目となる本日のレギュレーションはスタンダード。世界選手権本戦のスタンダードでも5勝1敗と好成績であったし、2勝1敗は十二分に期待出来る。
なお、三日目も特にカイロに向かったりするわけではなく、引き続き、このローマ世界選手権会場からお送りいたします。
第三部:スターダスト・クルセイダーズ
yaya3とは特に関係の無い話ではあるが、グランプリ・浜松において、八十岡 翔太はおそらく会場にたったひとりと思われる「ボロス・バーン」という奇妙なアーキタイプを使用していた。
チーム・スタンダードという特殊なレギュレーションであったことをさっ引いたとしても、このデッキリストは禍々しい。
| 4 《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》 4 《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》 2 《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》 7 《山/Mountain》 2 《平地/Plains》 3 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》 -土地(22)- -クリーチャー(0)- | 2 《猛火/Blaze》 4 《黒焦げ/Char》 4 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》 4 《ゲリラ戦術/Guerrilla Tactics》 4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》 4 《稲妻のらせん/Lightning Helix》 4 《ショック/Shock》 4 《火山の鎚/Volcanic Hammer》 4 《神の怒り/Wrath of God》 -呪文(38)- | 4 《信仰の足枷/Faith's Fetters》 4 《巨大ヒヨケムシ/Giant Solifuge》 3 《類電の反響/Parallectric Feedback》 2 《真髄の針/Pithing Needle》 2 《輝く群れ/Shining Shoal》 -サイドボード(15)- |
このデックに限らず、八十岡の使用するデックのデックリストは禍々しさに満ちているのは、ご存じの方も多いだろう。
たとえば、世界選手権本戦で、八十岡 翔太が使用していたデックはこんなデックだった。
| 1 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 3 《乾燥台地/Arid Mesa》 1 《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》 1 《森/Forest》 1 《幽霊街/Ghost Quarter》 2 《神無き祭殿/Godless Shrine》 1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 1 《島/Island》 3 《湿地の干潟/Marsh Flats》 1 《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》 2 《霧深い雨林/Misty Rainforest》 4 《平地/Plains》 3 《寺院の庭/Temple Garden》 -土地(24)- 3 《永遠の証人/Eternal Witness》 4 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》 1 《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》 1 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》 4 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》 3 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》 1 《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》 -クリーチャー(17)- | 2 《審判の日/Day of Judgment》 1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》 4 《けちな贈り物/Gifts Ungiven》 1 《壌土からの生命/Life from the Loam》 1 《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin》 4 《流刑への道/Path to Exile》 2 《原野の脈動/Pulse of the Fields》 1 《粗野な覚醒/Rude Awakening》 3 《神の怒り/Wrath of God》 -呪文(19)- | 2 《糾弾/Condemn》 3 《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》 1 《強迫/Duress》 1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》 1 《幽霊街/Ghost Quarter》 3 《貪欲な罠/Ravenous Trap》 2 《思考囲い/Thoughtseize》 2 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》 -サイドボード(15)- |
あえてアーキタイプとして分類するならば、「《けちな贈り物/Gifts Ungiven》《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》コン」だろうか?
しかし、多くの《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin》デックの構築者が《砂の殉教者/Martyr of Sands》とのライフ回復エンジンの構築に向かったのに対して、八十岡は《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》と組み合わせたロックの勝ち手段にしているのだから、その発想力には恐れ入る。
他にも、たとえば、各種トロンが3枚ずつの「八十式」青黒ウルザトロンなど、八十岡の作成するデッキはワンダーに満ちている。
その辺を踏まえたり、踏まえなかったりして、yaya3が今回のMOチャンピオンシップで使用するデックをみてみよう。
| 4 《野蛮な地/Savage Lands》 3 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》 3 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》 3 《森/Forest》 5 《山/Mountain》 4 《沼/Swamp》 4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 -土地(26)- 4 《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》 2 《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》 4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》 4 《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》 3 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》 -クリーチャー(17)- | 4 《瀝青破/Bituminous Blast》 3 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》 4 《荒廃稲妻/Blightning》 2 《終止/Terminate》 4 《稲妻/Lightning Bolt》 -呪文(17)- | 2 《終止/Terminate》 2 《思考の大出血/Thought Hemorrhage》 2 《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》 2 《紅蓮地獄/Pyroclasm》 4 《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》 3 《強迫/Duress》 -サイドボード(15)- |
続唱ジャンド!
yaya3 「ジャンドに勝てるのはジャンドだけ!」
なんだかどこかの雑誌のキャッチコピーのようなフレーズではあるが、MO上で様々なデックを試行錯誤したyaya3が最終的にたどり着いた結論は「ジャンドに勝てるのはジャンドだけ!」だったようだ。
もしかしたら、ビートダウンでジャンドに勝てるデックというのはいくらでもあったかもしれないが、ビートダウンなどyaya3の目には入らない。
というわけで、語り尽くされたアーキタイプでもあるし、早速本戦の様子へと突入しよう。なお、深い理由は無いが、yaya3の真後ろで観戦しているのは浅原 晃である。北山 雅也はどこへいった?
Round 1:tomy-vercety
先手後手を決めるダイスで勝利し、先手を取ったyaya3。
yaya3 「MOならダイス勝てるんだよなぁ」
なお、世界選手権予選ラウンド18戦でのyaya3のダイス戦績は15勝3敗である。
対戦相手のデックは、赤白青コントロール。
3ターン目に《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》をドローしたyaya3はこれを早速キャスト。この《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》はすぐさま《忘却の輪/Oblivion Ring》で対処されてしまう。
だが、4ターン目にyaya3がキャストした《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》でめくられたカードは、《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》。
yaya3 「これはさすがに100点だね」
MOでなら、yaya3はブン回りする。
メインボードから投入されている《瞬間凍結/Flashfreeze》に驚かされながらも、《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で対処し、1本目を先取、2本目も、yaya3の《強迫/Duress》と対戦相手の除去によって消耗戦となった後に、7マナある状態で《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》をトップデックしたyaya3。
手札に《荒廃稲妻/Blightning》があったので、これを手拍子でプレイすることなく、8マナまでためての《荒廃稲妻/Blightning》で手札ゼロ→《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》とつなげて勝利した。
これで、あと一勝である。
なお、このマッチアップで、yaya3は序盤にフェッチを使う事をさけた。
yaya3
「MOでは流れを掴むのが大事。MOでうかつにフェッチを使う奴は素人だね。めくれが重要なジャンドではなおさら」これが「論理の化身」と呼ばれた男のセリフである。
Round 2:Jurda
ここで、ついにジャンド対決となったyaya3。
Game 1は対戦相手の2連続でキャストされた《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》に押し切られ、Game 2は《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》による物量差で押し切ったGame 3。
お互いに《荒廃稲妻/Blightning》の撃ち合い、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》のつぶし合いの消耗戦に突入、この展開になったジャンド対決は本当に、だるい。
そんな状況を打差したのが、yaya3のトップデックである《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》。
...だが、対戦相手も《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》をトップデック仕返し、途中対戦相手の《瀝青破/Bituminous Blast》が手札のゼロのyaya3への《精神腐敗/Mind Rot》であったりと、さらなるグダグダなゲームへと突入する。
戦場に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》のみが存在する状況で、お互いに決定打を引かず、決定打を先に引いた方が勝利という展開になるのだが...
お互いになにも引かないまま、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》がゲームを制した。
浅原 「《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と2点のライフはアラーラコンボ十傑のひとつですからね」
Round 3:christian Fevrier
1勝1敗と後がなくなったyaya3。
Game 1は対戦相手が《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》で《荒廃稲妻/Blightning》をめくり、序盤をリード。
浅原 「《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》と《荒廃稲妻/Blightning》はアラーラコンボ十傑のひとつですからね」
栗原 「コンボって、1枚コンボじゃないですか」
真剣勝負をするyaya3の後ろでコントを繰り広げる、浅原と栗原 伸豪。ふたりはほおっておいて、対戦のレポートを続けよう。
先ほどのラウンドで願い続けた《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》の、その残留思念からか、このゲームでは《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》を大量に引き当て、まずはyaya3が先行する。
しかし、Game 2で、yaya3が土地2枚の手札をキープしたところで浅原がいう。
浅原 「あ、MOで右側に土地が2枚並んだハンドをキープしちゃだめなのに」
はっきりいって、まったく論理的整合性のないセリフである。
だが、それは経験に裏打ちされた物なのかもしれない。yaya3ほどではないが、月間のMOチャンピオンシップや昨年のMO世界選手権予選トップ8に進出するほどに、浅原もMOジャンキーなのだ。
また、土地と土地以外が2:5の時には、5枚の方だけを引き続ける(つまりはマナスクリューかマナフラッドになる)という、『2:5の法則』を筆者に教えたのは、他ならぬyaya3だった。
あわてて土地をドラッグし、右端に持っていくyaya3だが、そこに、論理的な(もっと言えばプログラム的な)理由があったか無かったかは定かではないが、3枚目の土地をまったく引かない。
浅原 「ここで多分、基本土地以外をひくと思うんですよ。そうすると、ゼンディカーコンボ十傑である、ゴブリン(《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》)特殊地形のコンボが決まってしまいますよ」
栗原 「いわゆる友情コンボですね。
だが、コンボ十傑を発動させるまでもなく、yaya3は3枚目の土地をひかないのだった。
Game 3でyaya3に配られた初手の、土地は、やはり2枚。だが、配られた土地は、左端ではなく、真ん中に2枚あった。
yaya3 「真ん中の時はいいんだよ」
《沼/Swamp》と《根縛りの岩山/Rootbound Crag》という、3枚目が《沼/Swamp》以外なら色マナが揃うハンドをキープ。
だが、3枚目の土地を引かない。このまま、土地事故でMOチャンピオンシップは終わってしまうのか。
しかし、対戦相手も、土地が2枚でストップしてしまう。
そして、そこに突き刺さるゼンディカーコンボ十傑「(対戦相手の)特殊地形・《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》」のコンボ!
このコンボをさらにもう1回決めたyaya3は、大量の苗木トークンとともに、プレイオフ進出を果たしたのだった。
この時点で、スタンディングは、yaya3が単独で首位、2位タイで2人のプレイヤーが並ぶこととなった。
改めてOP%の計算がされることとなり、ふたりのプレイヤーは結果の発表を固唾を呑んで見守っている。
yaya3 「飯がうまい、ってのはこういう状況をいうんだろうね」
結果、yaya3の対戦相手はAnathikとなった。
初日二日目ともに、最終戦で対戦し、1勝1敗中の相手である。
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