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Extended Dechtech:白石 知巳:《集団意識》

Extended Dechtech:白石 知巳:《集団意識》

By Daisuke Kawasaki

 「世界の最先端」群馬。

 その群馬のテクノロジーを結集し、白石 知巳がもちこんだ、基本セット2010の《集団意識/Hive Mind》を使用したデックをご紹介しよう。

白石知巳
世界選手権2009
8 《島/Island》
2 《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
2 《蒸気孔/Steam Vents》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》

-土地(16)-4 《うなる類人猿/Simian Grunts》
4 《天上の案内者/Ethereal Usher》

-クリーチャー(8)-
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《思案/Ponder》
4 《祖先の幻視/Ancestral Vision》
4 《留まらぬ発想/Ideas Unbound》
4 《撤廃/Repeal》
4 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《召喚士の契約/Summoner's Pact》
4 《タイタンの契約/Pact of the Titan》
4 《集団意識/Hive Mind》

-呪文(32)-
2 《稲妻/Lightning Bolt》
1 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《貪欲な罠/Ravenous Trap》
4 《否定の契約/Pact of Negation》
4 《呪文貫き/Spell Pierce》

-サイドボード(15)-

 デックは基本的にコンボデックである。

 コンボの手順はこうだ。

 まず、《炎の儀式/Rite of Flame》や《煮えたぎる歌/Seething Song》といった赤のマナ加速カードを使用して、一刻も早く《集団意識/Hive Mind》をキャストする。

 そして、《集団意識/Hive Mind》のキャストに成功したら、未来予知にある「0マナでキャストできる代わりに、次のターンにコストを支払えなければ敗北する」タイプのカードをキャストするのだ。

 すると《集団意識/Hive Mind》の能力が誘発し、対戦相手のコントロール下でスタックに『契約』のコピーが乗る。つまり、対戦相手はこれらの『契約』をキャストしたことと同じ事になるのだ。

 キャストしてしまったのであれば、次のターンのアップキープに先延ばしにしたコストを支払わなければならないが...複数枚をキャストした場合はもちろん、色が合わなかったり、キャストされたターンが早すぎてそもそもマナが足りなかったりと、『契約』のコストを払えることはほとんど無い。

 普段は「うっかりミス」の代名詞である『契約死』を能動的に狙ったのがこのコンボのキモだ。

 使用者の白石に、このデックについて聞いてみた。

川崎 「まずは、このデックを選択した理由を教えていただいていいですか?」

白石 「プロツアー・オースティンの結果をうけて、Zooが増えることが予想されたので、早く動けるデッキが使いたかったのです。そこで、色々なコンボデッキを試してみて、《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》・《超起源/Hypergenesis》とダメだったので最終的に《集団意識/Hive Mind》になりました。あと、《暗黒の深部/Dark Depths》対策としてバウンスが増えると予想したので《金属モックス/Chrome Mox》は使いたくありませんでした」

川崎 「なるほど。《集団意識/Hive Mind》はオースティン前にも少し話題になりましたが、コンボパーツを集める手段が厳しすぎてなかなか実用レベルにならないという話もありましたが」

白石 「実際、最初に作った時は、サーチカードが《天上の案内者/Ethereal Usher》だけだったんで、《集団意識/Hive Mind》自体を引かない、っていう問題もありましたけど、《留まらぬ発想/Ideas Unbound》を投入する事で一気に実用レベルになったのではないかと思っています」

 実用レベルではないと思われていたデッキが、ひとつのアイディアで一気にメタゲームに浮上するというのはよくある。これが群馬のテクノロジーか。

川崎 「現在のエクステンデッドには、《暗黒の深部/Dark Depths》や《超起源/Hypergenesis》、《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》に発掘とコンボが多く存在していますが、その中で、コンボデックとしてこのデックを選択するメリットってなんでしょうか?」

白石 「遅くても4ターン目には決まる、っていう速度も魅力なんですが、それに追加して、コンボに必要な枚数が少ない、っていうのがありますね。《超起源/Hypergenesis》なんかは特にそうなんですが、手札をいっぱいいっぱいまで使って動かすことになるので、マリガンが厳しいです。でも、このデッキはある程度まではマリガン耐性があります」

川崎 「なるほど」

白石 「あと、似た構造のストーム系のコンボと比べると、べつに呪文のキャストでストームを稼ぐ必要が無いので、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》を使いやすいっていうのもありますね」

川崎 「最後に、サイドボードについて教えていただいてよろしいですか?」

白石 「《呪文貫き/Spell Pierce》《否定の契約/Pact of Negation》はコンボとコントロール対策。《貪欲な罠/Ravenous Trap》と《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》は墓地対策、特に発掘対策ですね。発掘にはもう少し対策カードを取りたかったのですが、速攻対策が減ってしまうので泣く泣く断念しました。《稲妻/Lightning Bolt》が速攻対策になっています」

 コンボデックの数多くある、現在のエクステンデッドでも、一風変わった動きを見せるこのデック。しかし、大きな可能性を秘めており、今後のメタゲームでは急浮上する可能性も十分にある。

 世界の最先端の風を感じてみたい方は是非とも使用してみてはいかがだろうか。

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