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準々決勝: Andre Coimbra(ポルトガル) vs. Marijn Lybaert(ベルギー)

準々決勝: Andre Coimbra(ポルトガル) vs. Marijn Lybaert(ベルギー)

by "FOREST" Keita Mori

 この世界選手権ローマ大会のプレイオフを象徴するトピックが、八つの異なる国を代表する八名の選手がプロツアーサンデーに進出しているということだ。そして、そこにアメリカ人ないし日本人が存在しないというのは、プロツアー77大会の歴史の上でも初めてのことである。

 まさしく新しい時代の幕開けを予感させる決勝プレイオフ準々決勝戦から、ともにプロツアーシーンで長く活躍しており、Top 8入賞歴もあるふたりの欧州勢をご紹介しよう。

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 勝負論としては、「ジャンド続唱」一強時代とよばれるスタンダードにおいて、Andre Coimbraが持ち込んだ「ナヤ・ライトセイバー」がどんな戦いを見せてくれるかというポイントに注目したいところだろう。

 強大すぎる「悪の帝国」ジャンドに立ち向かう「ジェダイ」Andre Coimbraにとって、このデッキは本当に「ライトセイバー」になりうるのだろうか?

Andre Coimbra:RGW - Naya "Light Sabre"
Marijn Lybaert:RGB - Cascade Jund

Game 1

 先手Marijn Lybaertからはじまる第1ゲーム、開戦の号砲は後手Andre Coimbraが《貴族の教主/Noble Hierarch》を《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》で+1/+1強化するという第2ターンのアクション。

 3ターン目にLybaertが《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を召喚すると、教主でマナ加速しているCoimbraが《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》から《硬鎧の群れ/Scute Mob》と《野生のナカティル/Wild Nacatl》をサーチする。

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 4ターン目を迎えると、先手Lybaertが3/2「速攻」《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》からの「続唱」で《稲妻/Lightning Bolt》をめくりだし、この火力で《貴族の教主/Noble Hierarch》を除去。3/2と3/3をレッドゾーンに送り込み、6点のダメージが通る。これを受けたCoimbraは、先ほど手に入れた《硬鎧の群れ/Scute Mob》と《野生のナカティル/Wild Nacatl》を召喚し、両者を《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》の能力で強化する。

 5ターン目のLybaertは《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(M10)》を展開し、2マナをアンタップさせて《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を展開。一方のCoimbraは5枚目の土地を置いて静かにターンエンド。ターンが帰ってくれば、《硬鎧の群れ/Scute Mob》は巨大化しはじめるという算段だ。

 6ターン目を迎えたベルギー勢は、このゲームで2回目の「続唱」を《瀝青破/Bituminous Blast(ARB)》というかたちで遂行する。この4点火力呪文は《硬鎧の群れ/Scute Mob》を対象として詠唱され、「続唱」された《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》が残る《野生のナカティル/Wild Nacatl》を屠殺する。がらあきの敵陣にベルギー軍が攻め込み、さらに戦闘後に《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(M10)》は3/3ビースト・トークンを生み出す。Coimbraも《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(M10)》に《稲妻/Lightning Bolt》を撃ち込み、これ以上の状況悪化を防ぎにかかる。ポルトガルの防衛兵力は《長毛のソクター/Woolly Thoctar》で、伝説の土地から活力を得て6/5という巨大なサイズで睨みをきかせた。

 しかしながら、7ターン目を迎えたMarijn Lybaertは《荒廃稲妻/Blightning》を撃ち込んで対戦相手のライフ3点と手札2枚を奪い取り、さらに《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で6/5ビーストを葬った。ここからの全軍突撃に対し、Coimbraは一応《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》をブロッカーとしてアサインしてみるが、7点のダメージが通ってしまい、残り4。Coimbraはドローの内容を確認してから投了。

Marijn Lybaert 1-0 Andre Coimbra

サイドボーディング

・Andre Coimbra:RGW - Naya "Light Sabre"

OUT
-4《流刑への道/Path to Exile》
-4《野生のナカティル/Wild Nacatl》
-4《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
-1《硬鎧の群れ/Scute Mob》

IN
+4《大貂皮鹿/Great Sable Stag(M10)》
+4《天界の粛清/Celestial Purge》
+4《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
+1《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》

・Marijn Lybaert:RGB - Cascade Jund
 
OUT
-1《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(M10)》
-1《瀝青破/Bituminous Blast(ARB)》
-1《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》
-1《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》

IN
+2《カルデラの乱暴者/Caldera Hellion》
+2《終止/Terminate》 

Game 2

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 Andre Coimbraの「ライトセイバー」がその本領を発揮するのはサイドボーディング後からだ。13枚もの対策カードを投入した彼のナヤデッキは、メインボードとはまったく異なるインパクトを「ジャンド続唱」デッキに与えることとなる。

 後手Lybaertが2ターン目に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を、先手Coimbraが3ターン目に《長毛のソクター/Woolly Thoctar》を展開し、3ターン目を迎えたLybaertがタップインで《野蛮な地/Savage Lands》をおいたところで、「ライトセイバー」がその真価を発揮する。

 すなわちキッカーで《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》を召喚し、《野蛮な地/Savage Lands》を破壊。これによって「続唱」マナ域である4マナに到達できない。Lybaertはなんとか赤マナを4ターン目に引き当てて《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》を展開するが、Coimbraはここでもサイドインしたカードを、《天界の粛清/Celestial Purge》を使用して対処して見せ、さらに《大貂皮鹿/Great Sable Stag(M10)》を盤面に追加。

 それでも《荒廃稲妻/Blightning》を詠唱してCoimbraの手札を攻めるLybaertだったが、「ライトセイバー」から2体目の《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》キッカーがトップデッキから飛び出してくる!

 Lybaert投了。

Marijn Lybaert 1-1 Andre Coimbra

Game 3

 先手を取り戻したLybaertの「続唱ジャンド」はフェッチランドを二回起動して《森/Forest(RAV)》と《沼/Swamp(MMQ)》を場に出し、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を召喚する立ち上がり。しかし、Coimbraの「ライトセイバー」は《貴族の教主/Noble Hierarch》でのマナ加速から4ターン目に《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》キッカーという会心の一撃! タップインしたばかりの《野蛮な地/Savage Lands》を破壊した。

 なんとか赤マナを用意したいLybaertは続けざまにタップインで赤い特殊土地、今回は《根縛りの岩山/Rootbound Crag(M10)》をセットするが、Coimbraはこれを2体目の《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》で破壊するという素晴らしい動きを披露。

 ここでマナが止まってしまうベルギー軍を前に、まもなくポルトガルは空軍に《悪斬の天使/Baneslayer Angel(M10)》を、陸軍に《長毛のソクター/Woolly Thoctar》を配備という包囲網を完成させた。

Marijn Lybaert 1-2 Andre Coimbra

Game 4

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 2ゲーム続けて「ライトセイバー」の土地破壊地獄を味わったLybaertは、悩みに悩んだ末、いわゆる"6-1"ハンドをキープ。6枚の土地と1枚の呪文。肝心の1枚は《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》だ。

 こうなると、俄然、序盤の動向が気になるCoimbraだが、彼は1ターン目に展開した《貴族の教主/Noble Hierarch》で静かにアタックを繰り返しながらマナを延ばすのみという展開。なんと、フェッチランド4枚を経由して先手6ターン目に《森/Forest(RAV)》《森/Forest(RAV)》《沼/Swamp(MMQ)》《沼/Swamp(MMQ)》《山/Mountain》《山/Mountain》というマナベースを構築し、《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》を召喚するにいたるLybaertだった。

 しかし、大量の有効打を手札に温存していたCoimbraは《天界の粛清/Celestial Purge》二連発によってMarijn Lybaertの唯一の脅威を対処し、本体に《稲妻/Lightning Bolt》を使用。残り9点。さらに、タップアウトを見計らってCoimbraは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を召喚し、「賛美」の恩恵で4点のダメージを通すCoimbra。残り5点。ちなみに、「ライトセイバー」が続唱でめくりだしたカードは《大貂皮鹿/Great Sable Stag(M10)》だ。

Marijn Lybaert 「...手札から《稲妻/Lightning Bolt》を見せてくれたら降参するよ」

Andre Coimbra 「悪いね」

 手札を公開したCoimbraの前に、Lybaertは右手を差し出した。
 参考までに、"6-1"をキープしたMarijn Lybaertは土地しか引いていない。

Marijn Lybaert 1-3 Andre Coimbra

 「ライトセイバー」で見事に「ジャンド」を切り裂き、Andre Coimbraが準決勝進出!

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