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Extended Dechtech:高橋 優太:フェアリー

Extended Dechtech:高橋 優太:フェアリー

By Daisuke Kawasaki

高橋 「まかせてください、何百回も書いてるから暗記しています」

 デックリストを教えてくれるよう頼んだ筆者に対して、高橋はこう答えた。

 エクステンデッドでまでフェアリーを使用するほどに、異常な愛情をフェアリーに示す高橋のパーフェクトフォルムなデックリストがこれだ。

高橋 優太
世界選手権2009
4 《人里離れた谷間/Secluded Glen》
4 《変わり谷/Mutavault》
4 《涙の川/River of Tears》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《湿った墓/Watery Grave》
6 《島/Island》

-土地(24)-
4 《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》
4 《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》
4 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

-クリーチャー(12)-
3 《祖先の幻視/Ancestral Vision》
4 《苦花/Bitterblossom》
3 《謎めいた命令/Cryptic Command》
3 《破滅の刃/Doom Blade》
4 《マナ漏出/Mana Leak》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《撤廃/Repeal》
3 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》

-呪文(24)-
2 《思考囲い/Thoughtseize》
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
3 《死の印/Deathmark》
3 《瞬間凍結/Flashfreeze》

-サイドボード(15)-

 改めて、フェアリーというアーキタイプについて解説する必要は無いだろう。ゼンディカー発売直前の、ついこの間まで現役でスタンダードで使用されていたデックである。

 むしろ、このデックで特筆するべきなのは、その先日までスタンダードで現役だったデックとほぼ同じ構造をエクステンデッドでもキープしているということだ。

高橋 「フェアリーがあるのなら、フェアリーを使わない理由はないですよ」

川崎 「ローウィンブロックがスタンダードのローテーションで落ちて嘆くフェアリー好きはフェアリーを使うべきだと」

高橋 「そうですね。フェアリーが使えるってだけで幸せな人は、エクステンデッドでもフェアリーを使うべきです」

川崎 「たしかに、三日目になって急に生き生きしてきましたもんね。さて、エクステンデッド版のフェアリーですが、スタンダードの時と違う点はありますか」

高橋 「《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》ですね」

高橋 「《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》はフェアリーのマスターピースです。今までフェアリーができなかったこと、足りなかったことが全部できるカードです。クロックを増やし、クリーチャーを除去し、ライフを回復できる。《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》があれば、《大貂皮鹿/Great Sable Stag》も怖くない!」

川崎 「なるほど。《大貂皮鹿/Great Sable Stag》に対処出来るのはフェアリー使いとしては夢の様ですね。他に、エクステンデッドでフェアリーを構築するのに気をつけたい所はありますか?」

高橋 「エクステンデッドは環境が早くて、まわりが使うカードのコストも低い物が多いので、コストが低いカードを多めに投入しなければなりません。そうしないと手数で勝負できなくなりますから。あと、例えばスタンダードでは《誘惑蒔き/Sower of Temptation》とかが結構強かったんですけど、エクステンデッドではこんな2/2のクリーチャーは生き延びられないので、投入は難しいと思います」

川崎 「高橋さんはプロツアー・オースティンでもフェアリーを使用していたと思うのですが、その時から内容でかわった部分はありますか?」

高橋 「フェアリーというデッキのもっとも美しいところは、デッキリストにABC(Ancestral Vision・Bitterblossom・Cryptic Command)と並ぶところなんですが、今回、そこにDが加わりました。《破滅の刃/Doom Blade》です」

高橋 「オースティンでは、親和に負けてくやしかったんで、投入しました。今までも《恐怖/Terror》系のカードがメインに入る事は多かったんですけど、《破滅の刃/Doom Blade》はアーティファクト・クリーチャーを殺せるのがいいです。それと、この間のオースティンでキブラーのZooが優勝したんで、あのタイプが増えると思うんですけど、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》に2マナ1枚で対処できるのは大きいです」

川崎 「あとは《撤廃/Repeal》も気になりますね」

高橋 「さっき、フェアリーのマスターピースは《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》だったって話をしたと思うんですけど、実はエクテンでのフェアリー最大の的のひとつが《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》なんですよ。で、伝説同士で破壊することはできるんですけど、それだと3枚しかないから、怖いですよね。あと、《暗黒の深部/Dark Depths》デッキのトークンにも対処出来ますし、Zoo相手にも、軽いアクションでの対応策になる万能のパーツです」

川崎 「サイドボードについても解説いただけますか?」

高橋 「実は発掘にはメインでほぼ100%勝てないので、サイドには親の敵のように発掘対策を投入しています。あと、最近のコントロールは《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》や《罰する火/Punishing Fire》のように墓地を利用しているので、墓地対策は欠かせなくなっています」

川崎 「《不忠の糸/Threads of Disloyalty》は採用しないんですか?」

高橋 「《不忠の糸/Threads of Disloyalty》がやりたかったことはほとんど《破滅の刃/Doom Blade》で対応できますし、さっきの《悪斬の天使/Baneslayer Angel》のように《破滅の刃/Doom Blade》の方が汎用性が高いです。そのおかげで、発掘対策を多く入れられている部分もあります」

川崎 「なつほど、ありがとうございました」

高橋 「サイドボードまでふくめて、パーフェクトフォルムに近いデッキに仕上がっていると思います。フェアリー好きの人は是非作ってみてください!」

 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》をのぞけば、大部分が前環境、もしくはその前の「時のらせん」環境のフェアリーで使用されていたカードばかりのこのデック。

 以前フェアリーを使用していたというあなたにぜひ手に取ってみていただきたい。

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