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準々決勝:《荒廃稲妻》の嵐 - David Reitbauer (ジャンド) vs. Florian Pils (ジャンド)

準々決勝:《荒廃稲妻》の嵐 - David Reitbauer (ジャンド) vs. Florian Pils (ジャンド)

Tom LaPille(訳: YONEMURA "Pao" Kaoru)



ダヴィッド・ライトバウアー(ジャンド) vs フローリアン・ピルス(ジャンド)
ジャンドのミラーマッチを戦う、オーストリアのダヴィッド・
ライトバウアーとドイツのフローリアン・ピルス

 ダヴィッド・ライトバウアーはオーストリアはウィーンからやって来た。レーティングで招待された彼は、これまでプロツアーやグランプリでトップ8に残ったことはないが、世界選手権の大舞台で戦うのはこれが初めてではない。2年前、2007年にニューヨークで行なわれた世界選手権で、彼はオーストリア代表の一員として戦い、スイスに続く準優勝の結果を残している。
 フローリアン・ピルスはドイツのミュンヘンからの参戦だ。今まで世界選手権の最終日に残ったことはないが、彼は数多くのプロツアーでトップ16あるいはトップ32に入賞しており、グランプリでトップ8に残ったことも2回あるというベテランである。
 彼らはこのマッチの前に情義を通じていた。ピルスのデッキはスリーブ交換の必要があり、ライトバウアーは好意からスリーブの交換を手伝っていた。ピルスがサウンドチェックのために呼び出されている間も、ライトバウアーはスリーブを交換していた。ピルスが戻ってくる前に交換が終わったライトバウアーは、彼のデッキをデッキリストを見ることなくサイドボード前の状態に戻していた。席に戻ってきたピルスがサイドボード前への戻しが正しくなっていることを確認し、眉を上げる。トップ8に残ったプレイヤーは前夜のうちに相手のデッキリストを受け取っており、ライトバウアーは1枚残らずピルスのデッキを把握していたということである。

 それへの返答ででもあるかのように、ピルスはダイスロールに勝って先攻を選んだ。

Game 1

 ピルスの初手は第3ターン、《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]でライトバウアーの手札から《終止/Terminate》[ARB]と《稲妻/Lightning Bolt》[M10]を奪い取る。ライトバウアーの第3ターンには何もできず、ピルスは《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]からビースト・トークンを戦場に出した。ライトバウアーは《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]で《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]を説き伏せ、さらにピルスの《稲妻/Lightning Bolt》[M10]と土地を墓地に送る。戦場に残されたビーストが攻撃して3点、さらにピルスの《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]がライトバウアーのライフを3点削るとともに《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》[ALA]と《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》[M10]を捨てさせた。
 《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]の嵐が過ぎ去ると、ライトバウアーのライフは残り10、対するピルスのライフは19。ライトバウアーの手札に残されているのは《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]だけだった。しかしここで引いてきたのが《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》[ARB]、さらに《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]を引き寄せる。《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》[ARB]で攻撃して3点のダメージを与えた次のターン、両方のプレイヤーが《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]を唱える。《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》[ZEN]を出していたライトバウアーは一回り大きな《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]を戦場に送り出していた。その+1/+1カウンターを悲しげに見て、ピルスは《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]でライトバウアーの《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》[ARB]をブロック、相討ちに取る。
 ピルスの次のターン、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]と土地をプレイし、手札0枚でターンを返す。ライトバウアーは2枚のカードをじっと見つめる。その1枚は《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]だ。ピルスはそれの呼び出したビーストをにらみ付け、自分の《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》[ZEN]がライブラリーの一番上に来ますようにと祈った。彼は微笑みながらそれをプレイし、ターンを返す。彼を守るクリーチャーはビースト1体、苗木3体、それに《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]だ。

ライトバウアーの包囲網迫る

 ライトバウアーはさらに手を進めていく。《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]に頼んで2体目のビーストを出して貰い、1体目のビーストで攻撃する。ピルスは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]に目を向け、それでブロックするとライフを2点支払う。予想通り、ライトバウアーには二の矢があった。《噴出の稲妻/Burst Lightning》[ZEN]が飛び、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]が除去される。そしてターンを返す前に《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》[ZEN]で新しいビーストを強化するのも忘れない。
 ピルスはカードを引き、相手の陣営を見渡した。カウンター1個の《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]、《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]1体、4/4のビースト・トークン、3/3のビースト、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]。今引いたばかりの《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]を放って《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]を片付けたが、ライトバウアーの手札はもともと空だった。
 次のターン、勝負所と見切ったライトバウアーが動きを見せる。ピルスはビーストを苗木でチャンプ・ブロックし、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]を苗木1体とビースト1体で相討ちに持ち込む。残されたクリーチャーは苗木1体、いかにも頼りない。次のターン、ライトバウアーのビースト1体を苗木でブロックし、他方に《稲妻/Lightning Bolt》[M10]を打ち込むも、ライフは残りわずかに7点。次のドローにも助けはなく、ライトバウアーの攻撃でゲームは終わりを告げた。

ライトバウアー 1 - 0 ピルス

 ゲームとゲームの間に、ピルスは、メモの参照を認めるというDCI大会ポリシーの変更を活用し、相手のデッキリストを見たいと言う。ライトバウアーは、対戦相手が彼のデッキを把握していないということに失望したようだった。デッキリストが到着し、ピルスは素早く1つの数字を確認してそのリストをジャッジに返す。ライトバウアーは笑顔で頷いた。この2人はどちらも準備万端でこの試合に挑んでいたのだ。
 どちらのプレイヤーも、このミラーマッチに対する似たようなサイドボードを準備していた。《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》[ARB]が抜かれ、《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]が投入される。

Game 2

 第2ゲーム、ピルスは第3ターンに《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]2体を並べるという強烈な立ち上がりを見せた。ライトバウアーの返答は《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]で、これで《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]1体をブロックする。ピルスは《精神腐敗/Mind Rot》[M10]でアドバンテージを押し込み、ライトバウアーに《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]と《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]を捨てさせる。
 ライトバウアーの第4ターン、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》[ARB]から《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]を並べていく。一旦腰を落ち着けると、出したばかりの《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》[ARB]と1体目の《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]から生えた苗木トークン3体で攻撃していく。これでピルスのライフはわずか10点となり、ライフを14点残したライトバウアーが優位に立った。
 ピルスの《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]2体が削り、ピルスはそれらを頼もしげに見つめながら5枚目の土地をプレイしてターンを返す。《瀝青破/Bituminous Blast》[ARB]の準備が整ったのだ。
 ライトバウアーは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》[ARB]を呼び出し、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]がそれに続く。《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》[ZEN]ではなく《野蛮な地/Savage Lands》[ALA]をタップしてマナを払ったのは、《稲妻/Lightning Bolt》[M10]があるということを示していた。苗木トークン1体だけで攻撃すると、ピルスはそれを《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]でブロックして笑う。予想通り、《稲妻/Lightning Bolt》[M10]がその《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]に突き刺さった。ピルスのほうも予想通りの動きを見せる。《瀝青破/Bituminous Blast》[ARB]でライトバウアーの《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]を除去すると、引き当てたのは《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]。

苦闘の中でもいい笑顔を見せるピルス

 土地5枚で、ピルスは《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》[M10]を唱え、土地2枚をアンタップして《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》[ALA]を唱える。ライトバウアーは対応して《瀝青破/Bituminous Blast》[ARB]で《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》[ARB]を除去。続唱で出てきたのは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》[ARB]、そしてさらに《稲妻/Lightning Bolt》[M10]を引き当てる。《稲妻/Lightning Bolt》[M10]がピルスの顔面に直撃し、残りライフはわずかに6点。ライトバウアーの総攻撃で充分おつりがくる数字だった。

ライトバウアー 2 - 0 ピルス

Game 3

 第3ゲームの立ち上がりは対称性のお勉強のようだった。両プレイヤーがマリガンして6枚からスタート、そしてどちらのプレイヤーも最初に使ったのは《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]、捨てたカードは《瀝青破/Bituminous Blast》[ARB]と土地1枚。この対称性を破ったのはピルスのキッカーつき《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]で、ライトバウアーの《野蛮な地/Savage Lands》[ALA]を破壊した。ライトバウアーはこれに応えて《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]を放ち、ピルスの手札に残されていた2枚をもぎ取った。
 ライトバウアーはピルスの《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]に対抗するべく《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]をプレイ、しかしピルスの《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]のせいでキッカー分の赤マナはなかった。お互いに《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]で殴り合う状況が続いたが、やがてライトバウアーが5枚目の土地をプレイして《瀝青破/Bituminous Blast》[ARB]で《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]を除去、さらに2体目の《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]を引き当てる。
 ピルスも次のターンに5枚目の土地を引き当てたものの、それはタップ状態で戦場に出る《根縛りの岩山/Rootbound Crag》[M10]だった。ライトバウアーは《荒廃稲妻/Blightning》[ALA]をトップデッキし、5枚目の土地がタップ状態だったために唱えられず、《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]を除去できなかった《瀝青破/Bituminous Blast》[ARB]2枚をピルスの手札から捨てさせると、後はただ《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》[ZEN]2体で殴るだけになった。

 ダヴィッド・ライトバウアーが3-0で勝ち、準決勝進出!

David Reitbauer - Jund
2009 World Championships, Standard
3 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
2 《森/Forest》
3 《山/Mountain》
2 《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》
4 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4 《野蛮な地/Savage Lands》
3 《沼/Swamp》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

-土地(25)-


4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
2 《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》
2 《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》
4 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》
4 《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》

-クリーチャー(16)-
3 《瀝青破/Bituminous Blast》
4 《荒廃稲妻/Blightning》
1 《噴出の稲妻/Burst Lightning》
2 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2 《終止/Terminate》

-呪文(19)-
3 《強迫/Duress》
4 《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
3 《大貂皮鹿/Great Sable Stag》
2 《ジャンドの魔除け/Jund Charm》
1 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2 《思考の大出血/Thought Hemorrhage》

-サイドボード(15)-
Florian Pils - Jund
2009 World Championships, Standard
3 《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
2 《森/Forest》
1 《ジャンドの全景/Jund Panorama》
4 《山/Mountain》
1 《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》
3 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4 《野蛮な地/Savage Lands》
3 《沼/Swamp》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

-土地(25)-


4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
3 《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》
4 《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》
4 《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》

-クリーチャー(15)-
3 《瀝青破/Bituminous Blast》
4 《荒廃稲妻/Blightning》
3 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2 《終止/Terminate》

-呪文(20)-
1 《瀝青破/Bituminous Blast》
3 《強迫/Duress》
4 《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》
3 《ジャンドの魔除け/Jund Charm》
2 《精神腐敗/Mind Rot》
2 《思考の大出血/Thought Hemorrhage》

-サイドボード(15)-

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