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Player of the Year:渡辺 雄也(神奈川)

Player of the Year:渡辺 雄也(神奈川)

By Daisuke Kawasaki

 もともとは、神奈川の草の根大会ポイントレース勝者の称号であった「ミスターPWC」。その初代獲得者が渡辺 雄也(神奈川)だ。

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 その渡辺が、プロツアーシーンの年間ポイントレース勝者の称号である「Player of The Year」を獲得した。

川崎 「Player of The Yearおめでとうございます」

渡辺 「ありがとうございます」

川崎 「今シーズンのPoYレース、序盤はGabriel Nassif(フランス)と、LSVことLuis Scott-Vargas(アメリカ)の独走からはじまったわけです。ちょうどシーズン頭に渡辺さんもグランプリ神戸で準優勝してますが、実際のところどのあたりからPoYを意識しはじめましたか?」

渡辺 「明確に意識したのは、グランプリ・メルボルンでの優勝からですね、それまでは、プロプレイヤークラブのレベル8が目標でした」

川崎 「結構後半からなんですね」

渡辺 「シーズン前半は不調でしたからね」

川崎 「シーズン後半は絶好調でしたね。一気にまくれた勝因はなんでしたか」

渡辺 「ナシフもLSVももう、歳ですからね...若さに勝てなかったんじゃないですか?」

川崎 「あぁ、渡辺さん、実はかなり若いんですよね」

渡辺 「今、20歳で、今年21になります」

川崎 「日本人プロプレイヤーの中でも、ダントツじゃないですかね?」

渡辺 「そうですね。多分、プロツアーまわってる中には僕より若い人はいないですね...同年代も、彌永 淳也が近いか、くらいですね」

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川崎 「さて、さきほども出たように、日本選手権での準優勝を皮切りにシーズン後半はプレミアイベントトップ8入賞連続6回というワールドレコードを打ち立てるなど、絶好調でしたが、好調の理由はどこにありましたか?」

渡辺 「一番の理由は、リミテッドだった、ってところですかね」

川崎 「リミテッド、ですか」

渡辺 「はい。リミテッドは、構築がデッキリストなどから多くの知識を学べるのに対して、必要な技術の量に対して情報を見て学べる量が少ないですよね」

川崎 「そうですね。構築はデックリストを見て、デックを作りあげることができますが、リミテッドの構築技術はそうは行かないことが多いですね」

渡辺 「僕は、基本セット2010・ゼンディカーと自分の中でストラテジーが固まっていて、リミテッドの場合は構築のようにマネがしにくいので、その差のアドバンテージが大きかったんだと思います」

川崎 「なるほど。ちなみに、そのストラテジーを、さわりだけでいいので教えていただけませんか?」

渡辺 「まず、基本セット2010の環境ですが、この環境は弱いカードが多い上に、カードパワーの差が出やすいので、ゲームが単調になりやすいですよね」

川崎 「そうですね。その辺も含めて、非常に基本セットらしいセットですから」

渡辺 「だから、1枚1枚のカードの重要さの比重が大きいんです。そこで、事故りにくい構成をできるだけ心がければ、その1枚の差で優位になれますね」

川崎 「なるほど。続いて、ゼンディカーはどうですか?」

渡辺 「ゼンディカーは、基本セット2010と打って変わって、ものすごい早い環境ですよね」

川崎 「そうですね。世界選手権二日目のブースタードラフトも、あっという間に終わった感じはあります」

渡辺 「だから、とりあえずスタートダッシュで負けない構成が大事です」

川崎 「速度勝負したり、《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》で守ったり、ですね」

渡辺 「ええ。そこで、速度勝負で押し切るデッキか、完全にどっしりと構えて対応しきるデッキか、どちらかに的を絞ってデッキを作ることが必要になります」

川崎 「中途半端はダメだ、ってことですか」

渡辺 「そうですね。僕は、青黒が好きでよくピックするんですけど、それは構えられるデッキを作れるからですね」

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川崎 「尊敬するプレイヤー、って誰ですか?」

渡辺 「今、ですか?今まで、ですか?」

川崎 「今までの人生で、ですね」

渡辺 「それなら、津村 健志(広島)ですね」

川崎 「津村、ですか」

渡辺 「はい。正確には全盛期の津村 健志、ですね。全盛期の頃の津村に関しては、そのマジックに対する姿勢も、プレイングの内容も全部尊敬しています」

川崎 「全盛期というと、2004年~2007年くらいの津村ですか」

渡辺 「はい。ちょうど、僕がプロシーンに入ったころ(注:渡辺が新人賞であるRookie of the Yearを獲得したのは2007年)にもっとも輝いていたプレイヤーが津村 健志でしたからね」

川崎 「その津村が獲得したPoYを、今回自身も獲得なされたわけですけど、感慨深いですか?」

渡辺 「んー、津村健志が獲得した年(2005年)と今じゃ、全然状況は違うと思うんですよね。プロツアーの数が特に違いますね」

川崎 「今のPoYはグランプリでの獲得点数中心だと?」

渡辺 「はい。自分が典型例ですけど、今年はプロツアートップ8に1回はいれましたけど、基本的にはグランプリで点数を積み重ねていたじゃないですか。津村の年はプロツアーが5回あったので、プロツアーの比重が高くて、そのなかで獲得した津村はやはり華々しかったと思いますよ」

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川崎 「そういえば、PoY獲得した感想って聞いてないですね」

渡辺 「一年間、がんばったなぁ、って感じですよ」

川崎 「昨年の、国別団体戦で、『昨年RoYを取った時のあの表彰式にまた出席したい、だから優勝したい』とおっしゃっていましたが、このたび実現した形ですね」

渡辺 「はい、格別ですから。自力でいけたのは、本当に嬉しいです。国別団体戦でいけなかったのはくやしいですけど...」

川崎 「来期の目標はどんな感じですか?」

渡辺 「来期は、レベル8は目指しますけど、PoYは今のところは考えてません」

川崎 「ちなみに、来期のPoYを日本人が獲得するとしたらだれだと思いますか?」

渡辺 「日本人でですか...今までとったこと無い人ですか?全部含めるなら(齋藤)トモハル君だと思いますけど...」

川崎 「せっかくなので、いままで取ってない中から、でお願いします」

渡辺 「うーん、難しいですね。さっき言ったとおりグランプリの比重が大きくて全部まわらなきゃいけないので、アンちゃん(高橋 優太)とか彌永には厳しいと思いますよ。ただ、来期レベル8になった三田村(和弥)さんが、グランプリサーキットするなら、可能性はあると思います」

川崎 「最後に、日本のマジックファンの皆さんにメッセージをお願いします」

渡辺 「最近、日本でもマジックの売れ行きは好調だって聞いています。是非このまま活性化させていきたいので、みんなでマジックを楽しんでいきましょう!構築だけじゃなくて、色々な遊び方...たとえばリミテッドとかもためしてみてほしいです」

川崎 「もともと構築屋だった渡辺さんも、今はリミテッドメインですよね」

渡辺 「そうですね。今はリミテッドの方が好きです」

川崎 「活性化といえば、今回の世界選手権でヨーロッパ勢が躍進したのは、今、ヨーロッパでマジックが活性化してるから、って言われてますけど...」

渡辺 「それもありますけど、やっぱり時差も大きいかと」

川崎 「ということは、来年の世界選手権は日本の幕張メッセですから...」

渡辺 「そうですね。来年は、日本人が勝ちますよ!」

川崎 「それは渡辺さんですか?」

渡辺 「できれば自分だと、いいですね」

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