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国別代表戦 Round 2:池田 剛(福岡) vs. Christia Gawrilowicz(オーストリア)

国別代表戦 Round 2:池田 剛(福岡) vs. Christia Gawrilowicz(オーストリア)

By Jun'ya Takahashi

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 世界最強のジャッジは誰か?
 
 その解答に最も近い位置に立っている一人が、このラウンドで池田の向かい側、写真手前に座っているChristia Gawrilowicz(オーストリア)だろう。『赤緑ヴァラクート』を手に個人戦を好成績で駆け抜けたGawrilowiczは、団体戦の初戦も白星で好スタートを切り、颯爽と《原始のタイタン/Primeval Titan》を《召喚の罠/Summoning Trap》から登場させる様は、見ていて気持ちが良くなるくらいに清々しいものがある。ノリにノっているプレイヤーとドローという偶然が噛みあうと、理屈ではなく、人では止められない一つの指向性が生まれる。

 「日本代表」池田の大一番が始まった。

Game 1

 ダイスロールで先手を取ったのは池田。『土地4枚、《定業/Preordain》《乱動への突入/Into the Roil》《消耗の蒸気/Consuming Vapors》』という7枚に少し迷うもプレイすることに決め、《定業/Preordain》でお目当ての《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を掘り当てる所からゲームを開始した。

 しかし、相手の動きを阻害出来るカウンター呪文に巡り合えない池田は、2ターン目と3ターン目に立て続けに置かれた《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》に頭を痛めることとなる。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を出す4ターン目には無防備になるため、それまでに少しでもGawrilowiczの出足を遅らせようと、《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》の1枚にノン・キッカーで《乱動への突入/Into the Roil》を撃ち、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》で自分のライブラリーの上を確認して相手の行動に備える。

 その返しのターンで《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》と手札に戻された《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》を展開したGawrilowiczは、《進化する未開地/Evolving Wilds》をセットして1枚目の《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》のクエスト条件を達成した。

 カウンターが1枚も手札に無い池田は、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》でカウンターを探しにいくも、《定業/Preordain》しか見つからない。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》で上に載せた土地2枚を占術で下に送り、残り1枚の希望である未知のドロー1枚に期待を寄せるも、それは遅すぎる《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》だった。Gawrilowiczが決定的な呪文を引いていないことを願って《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を《見栄え損ない/Disfigure》で除去してターンを返す。

 だが、本物の『赤緑ヴァラクート』はそう甘くはなかった。

 ターンが返ってくると手札から間髪いれずに飛び出してきたフォイルの《原始のタイタン/Primeval Titan》は、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》を二峰引き連れてくると、2枚の《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》が池田を襲った。

池田 0-1 Gawrilowicz

Game 2

 1ゲーム目を落とした池田は先手を取ると、『土地4枚、《マナ漏出/Mana Leak》《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》』という理想的な手札をキープする。お互いに土地を2枚並べ合い、池田は3ターン目の《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》でGawrilowiczにプレッシャーをかける。このまま続く4ターン目に《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》をプレイすることが叶えば、あっという間にゲームに蓋をすることが出来るだろう。

 だが、返すGawrilowiczの3ターン目に彼が《探検/Explore》を2枚プレイして土地を一気に5枚にまで伸ばしたことで事態は一変した。《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》を出すと6マナまで到達したGawrilowiczの《原始のタイタン/Primeval Titan》か《召喚の罠/Summoning Trap》が通ってしまうのだ。

 池田は渋々《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》による攻撃のみに留めるが、Gawrilowiczは土地と《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を出すだけでターンを終え、池田の選択は結果的には裏目を引いてしまったことになった。

 エンド前の《砕土/Harrow》を《マナ漏出/Mana Leak》し、2枚目の《マナ漏出/Mana Leak》で大物を狙うも、7枚目の土地と共に現れたのは《ガイアの復讐者/Gaea's Revenge》で《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》の進路は塞がれてしまった。

 しかし、初手から出番を待っていた《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》が遂に登場し、残り1枚の手札であった《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》も《マナ漏出/Mana Leak》でカウンターして王手をかける。

 一瞬《強迫/Duress》と《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》の攻撃によって土地が寝た瞬間にトップデッキされた2枚目の《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》で危うくなったものの、《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》が無事にGawrilowiczのわずかなライフを削り取った。

池田 1-1 Gawrilowicz

Game 3

 星を五分に戻した池田は、『土地2枚、《マナ漏出/Mana Leak》《破滅の刃/Doom Blade》《見栄え損ない/Disfigure》に《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》2枚』を3本目のお供にすることに決めた。

 2ターン目の《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》から《耕作/Cultivate》、と理想的な動きをするGawrilowiczの《耕作/Cultivate》は何とか打ち消し、《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》を展開してペースを掴もうとした池田だったが、土地が4枚で止まってしまう。

 そこに追い打ちをかけるようにGawrilowiczがプレイしたのは《酸のスライム/Acidic Slime》で、「土地を壊させて《見栄え損ない/Disfigure》で《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》の道を開ける」か「《マナ漏出/Mana Leak》で打ち消す」かという重大な分岐点に立たされる。土地の枚数が非常に重要であり、4マナ域に強力なキーカードを多く有している『青黒コントロール』としては、是非とも打ち消したい場面なのだが、これが手札にある最後のカウンター呪文であり、カウンターしたことで《召喚の罠/Summoning Trap》が飛んでくる可能性もある非常に難しい場面だ。

 池田は少し考えた後に、《酸のスライム/Acidic Slime》をカウンターすることに決めた。結果的にGawrilowiczの手札からは《召喚の罠/Summoning Trap》が飛び出し、その従順なライブラリーからは《原始のタイタン/Primeval Titan》がやってきてしまった。なんとか《破滅の刃/Doom Blade》で除去することで即死は免れたが、Gawrilowiczの残りの手札には2枚目の《原始のタイタン/Primeval Titan》が握られていたのだった。

池田 1-2 Gawrilowicz


 このラウンドは森が早々に勝利を決めていたものの、池田と田籠が敗れ、日本代表はチームとしても敗戦が記録されることとなった。

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