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Round 7:中島 主税(東京) vs. Anton Jonsson(スウェーデン)

Round 7:中島 主税(東京) vs. Anton Jonsson(スウェーデン)

By Jun'ya Takahashi

 かつて『世界3大リミテッダー』と呼ばれた3人がいた。ドラフトやシールドを始めとする限定戦フォーマットにおいて、他の追随を許さない程に卓越した実力をもったスペシャリスト達のことである。

 Michael Turian(アメリカ)
 Nicolai Herzog(ノルウェー)

 この2名と共に多くのプレイヤーから尊敬されている3人目こそが、今回の中島の対戦相手であるAnton Jonsson(スウェーデン)だ。

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 2005年のプロツアー・名古屋の決勝戦で小室 修(東京)と熱闘を演じた末、小室の『握手付き《木霊の力/Kodama's Might》』によって惜敗したことでも知られている彼は、過小評価されているカードを非常に巧みに操ることでも有名で、同大会においても「《戦に狂える浪人/Battle-Mad Ronin》+《精神のくぐつ/Psychic Puppetry》」を始めとする弱いカードの組み合わせで多くの勝ち星を稼いでいた。

 中島は関東プロ・コミュニティーの中心で、浅原 晃(神奈川)や大澤 拓也(神奈川)を筆頭とする「旧・古淵勢」の代表として、多くのプレイヤー達に練習や交流の場を提供している。そういった「いつでもM:TGを真剣に練習できる場所」は非常に貴重であり、その場を通じてプロツアーで活躍するようになったプレイヤーは少なくない。

 そんな中島は、初日のスタンダードラウンドを『上陸ボロス』で好成績で折り返し、これから3ラウンドを戦う1stドラフトも良いピックができたと聞いた。後にライターの鍛冶により、そのドラフトの詳細な解説が載る予定だ。デッキについてはその記事に任せることにして、さっそくゲームの様子を見ていこう。

Game 1

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中島 「2~3年前のプロツアーで対戦したことあったよね」

Anton 「ああ、あの時はどっちが勝ったっけね?」

 そんな雑談を交わしながらダイスロールで先手後手を決める二人。数字の高かったAntonの先手となった。

 《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》《屍百足/Necropede》《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》と軽快に展開するAntonに対し、《燃えさし鍛冶/Embersmith》で迎え撃つ中島は、《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》をプレイしながら鍛冶の能力で《屍百足/Necropede》を倒し、鍛冶と百足の交換からゲームは始まった。

 しかし、《森/Forest》2枚と《山/Mountain》1枚で土地が止まってしまったAntonは《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica》を追加してターンを終えた。その間に攻めに転じたい中島は、《オーリオックの模造品/Auriok Replica》《憤怒の三角護符/Trigon of Rage》《危険なマイア/Perilous Myr》と戦線を広げるが、攻めの中核である《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》は《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》に撃ち落とされてしまい、思ったようにダメージを稼ぐことができない。

 4枚目の土地が欲しいAntonは力強くカードを引くが、マナソースはマナソースでも《鉄のマイア/Iron Myr》で、地盤の不安定は解決しない。その後に中島の攻撃を受けながらも《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》を繰り出して戦況の膠着を狙うが、4マナ目が《鉄のマイア/Iron Myr》だったことが次のターンに大きく響いた。

 移った中島のターンに《鉄のマイア/Iron Myr》に《拘引/Arrest》が付けられてしまったのだ。「マナ能力も含む起動型能力の使用を封じる」効果のある《拘引/Arrest》は、Antonに《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》の誘発を解決する為の4マナに達することを阻害し、《憤怒の三角護符/Trigon of Rage》の後押しも含めて一気にAntonのライフは危険水準に達する。

 それでも4枚目と5枚目の土地に続けて辿り着くことができたAntonは、《憤怒の三角護符/Trigon of Rage》には《粉砕/Shatter》を、横にいるクリーチャーは戦闘で相打ちにして、なんとか盤面を落ちつかせることができた。

 後1枚有効なカードが引ければゲームを終わらせることができる中島は、デッキに投入されている3枚の《感電破/Galvanic Blast》と2枚の《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter》を願ってカードを引くも、いくら引いてもそこには土地の山しか見えない。

 中島がひたすら土地を引いている間に、2枚目と3枚目の《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》に辿り着いたAntonは、「《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》+《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》」という悪夢のサイクルを完成させ、中島の盤面には遂に何も残らず、僅かに残ったライフもAntonの《燃えさし鍛冶/Embersmith》によって削り取られてしまった。

中島 0-1 Anton

Game 2

Anton 「Goodluck」

中島 「You too」

R7_Nakajima_Jonsson.jpg

 お互いに7枚の初手を抱えた2ゲーム目は、中島の先手で始まった。

 《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》《憤怒の三角護符/Trigon of Rage》と怒涛の攻勢を敷く中島に対し、《鉄のマイア/Iron Myr》《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》と守りを固めていくAnton。

 その《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》は、マナが無い瞬間を狙って金属術を達成した《感電破/Galvanic Blast》が撃ち落とし、Antonを攻めたてる。

 完全にペースを握った中島がこのまま2ゲーム目を取り返すと思われたが、Antonの《腐食獣/Molder Beast》が事態を一変させる。赤緑という色の組み合わせ上、アーティファクトを壊すカードが多く投入されているため、そのパワーは二桁をゆうに超える膨大なものとなるこのクリーチャーは、アーキタイプによっては評価が急上昇する非常にAntonらしいカードだ。

 さっそく2枚目の《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》と《粉砕/Shatter》で中島のクリーチャー達を破壊すると11点ものダメージを叩き出し、次なる中島のブロックをトランプルで貫通することで、《腐食獣/Molder Beast》は失うものの、中島のライフは一気に1に落ち込んでしまった。

 お互いに土地を多く引いていたのもあり、盤上は一気に静まり返ったが、《甲殻の鍛冶工/Carapace Forger》を引いたAntonに対して、《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion》しかクリーチャーを用意できなかった中島は、次のターンに命令を無視してAntonに突っ込んで行ってしまった《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion》を眺めることしかできない。最後のドローが《平地/Plains》であったことを見せると、Antonから差し出した手をゆっくりと握った。

中島 「また負けたよ!!」


中島 0-2 Anton

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