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1st Draft:玉田 遼一(大阪)

1st Draft:玉田 遼一(大阪)

By Atsushi Ito

 初日のスタンダードラウンド6回戦を終えて、日本勢の最上位は15ポイントの玉田。世界を相手に通用するならば、日本選手権4位の実力は本物のようだ。

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 しかし、2日目はドラフト6回戦。しかも初日の好成績のおかげで、通常グランプリやプロツアーにおいて最も苛酷とされる2番テーブルに入ることになってしまっている。

 同卓にはプロツアー・サンディエゴ2010チャンピオンのSimon Görtzenや、初日の代表戦で日本代表を苦しめたオーストリア代表のChristia Gawrilowicz、戦略コラムニストとしても知られるMatt Sperlingといった強豪の姿がある。

 構築フォーマットでその確かな資質を示した玉田が限定戦でどのような立ち回りを見せるのか。ここでは玉田の1st Draftでのピックに注目してみることにする。

(カッコ内はその手順で流した他の有力カード)

ドラフトパック1

1-1 《伝染病エンジン/Contagion Engine》(《感電破/Galvanic Blast》、《燃えさし鍛冶/Embersmith》、《闇の掌握/Grasp of Darkness》)

1-2 《法務官の手/Hand of the Praetors》(《絡み森の鮟鱇/Tangle Angler》、《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol》、《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider》)

1-3 《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》

1-4 《煙霧吐き/Fume Spitter》(《テル=ジラードの堕ちたる者/Tel-Jilad Fallen》)

1-5 《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》(《マイアの感電者/Myr Galvanizer》)

1-6 《死体の野犬/Corpse Cur》(《試作品の扉/Prototype Portal》、《胆液の鼠/Ichor Rats》)

1-7 《モリオックの肉裂き/Moriok Reaver》(《冷たき集いの吸血鬼/Bleak Coven Vampires》)

1-8 《媒介のアスプ/Vector Asp》(《思考の三角護符/Trigon of Thought》、《吠える絡みワーム/Bellowing Tanglewurm》)

1-9 《感染の三角護符/Trigon of Infestation》

1-10 《荒々しき力/Untamed Might》

1-11 《秘宝の腐敗/Relic Putrescence》

1-12~14 略

 初手でいわゆる爆弾レアを引き当て、見た瞬間に迷いなくピックすると、2手目でこれ以上ない感染へのシグナルとなる感染ロードを受け止め、初手との噛み合いもあり緑黒感染を目指していく玉田。

 しかしカードの出が悪いのか、上家からの確かなシグナルと思われた割にはそれほど感染持ち生物の数を集めることができない。

ドラフトパック2

2-1 《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》(《粉砕/Shatter》、《鍛えられた鋼/Tempered Steel》、《テル=ジラードの堕ちたる者/Tel-Jilad Fallen》、《煙霧吐き/Fume Spitter》)

2-2 《闇の掌握/Grasp of Darkness》

2-3 《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》(《煙霧吐き/Fume Spitter》)

2-4 《真っ二つ/Slice in Twain》(《荒廃のマンバ/Blight Mamba》、《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》)

2-5 《荒々しき力/Untamed Might》

2-6 《モリオックの模造品/Moriok Replica》

2-7 《闇滑りの岸/Darkslick Shores》

2-8 《謎鍛冶/Riddlesmith》

2-9 《汚れた一撃/Tainted Strike》

2-10 《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》

2-11 《黒割れのゴブリン/Blackcleave Goblin》

2-12 《胆液の鼠/Ichor Rats》

2-13~14 略

 ここで玉田はいまいち流れが怪しい緑黒感染から青黒増殖に切り替えるプランを見出したようだ。

 だがもともと増殖絡みのカード自体が少なくて出にくい上に、2-4で強烈に緑をプッシュされ、その中でも最も強力な《真っ二つ/Slice in Twain》をピックしてしまったことで、結局増殖への切り替えのタイミングを失ってしまう。

ドラフトパック3

3-1 《伝染病の屍賊/Contagious Nim》(《試作品の扉/Prototype Portal》)

3-2 《黒割れのゴブリン/Blackcleave Goblin》

3-3 《秘宝の腐敗/Relic Putrescence》(《金屑化/Turn to Slag》、《拘引/Arrest(MMQ)》)

3-4 《嚢胞抱え/Cystbearer》(《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》)

3-5 《感染の三角護符/Trigon of Infestation》

3-6 《地平線の呪文爆弾/Horizon Spellbomb》

3-7 《屍肉の呼び声/Carrion Call》

3-8 《ルーメングリッドのドレイク/Lumengrid Drake》

3-9 《停止命令/Halt Order》

3-10~14 略

 3-1、3-2ともにパックがすこぶる貧弱で、それでもカードが足りない玉田は手順に見合わない感染持ち生物をピックせざるをえない。

 その後も感染の流れは決して良くはなく、結局3パック目では《嚢胞抱え/Cystbearer》だけが玉田のデッキを明確に強化したほぼ唯一のカードとなった。

 それもそのはず、感染をやっているのは卓に2人しかいないし、玉田に《法務官の手/Hand of the Praetors》を流した上家のGerardo Godinez Estradaは赤白で、そこだけはきちんと住み分けているのだが、玉田の他のもう1人の感染は、なんと玉田の2つ上に座っていたIdo Faranだったのだ。

 そのせいで、《皮裂き/Skinrender》、《絡み森の鮟鱇/Tangle Angler》、《死体の野犬/Corpse Cur》2枚といった厳選された4マナ域に、バランスの良い2マナと3マナの生物を取り揃えたFaranのデッキに比べ、玉田のデッキは一部の爆弾(ボム)レアを除けばいかにも貧相な構成となってしまったようだ。


 ここでせっかくなので、玉田自身にもいくつか質問してみた。

――ピックに関しては、玉田さん視点ではどういった感想ですか。

玉田 「1-1、1-2とレアに恵まれて、当たり外れが激しくて苦手な感染に行ってしまったのが結果としては良くなかったですね。それに行くなら行くで、1-5の《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》とかは他に候補がないからって日和りすぎました。」

――感染を強烈に意識しているにも関わらず1-4で《テル=ジラードの堕ちたる者/Tel-Jilad Fallen》を流して《煙霧吐き/Fume Spitter》を優先させた点はどうなんでしょう。

玉田 「感染だと4マナ域が渋滞しがちなので、そこは特に問題視してないです。」

――2-1で《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》をピックして青黒増殖を見据えたのは素晴らしい判断だと思いますが、そのまま切り替えることはできなかったのでしょうか。

玉田 「《かき鳴らし鳥/Thrummingbird》の後増殖とかそれっぽいカードが流れてこなかったので、タイミングを掴むのが難しかったですね。2-4で緑がいっぱい来ちゃって、一緒に来るなよ~って感じでした。」

――このデッキで3ラウンド戦って、どれくらいの成績だと思いますか。

玉田 「レアは強いしデッキがそこまで弱いわけでもないので、なんとか2-1したいですね。」

――ありがとうございました。

 スタンダードラウンドで苦戦した日本人が多い中、玉田の奮戦に期待したい。

Draft1_TamadaDeck.jpg

玉田 遼一
世界選手権2010 / 1st Draft
9 《森/Forest》
9 《沼/Swamp》

-土地(18)-

2 《黒割れのゴブリン/Blackcleave Goblin》
1 《伝染病の屍賊/Contagious Nim》
1 《煙霧吐き/Fume Spitter》
1 《法務官の手/Hand of the Praetors》
1 《胆液の鼠/Ichor Rats》
1 《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》
1 《媒介のアスプ/Vector Asp》
1 《嚢胞抱え/Cystbearer》
1 《モリオックの模造品/Moriok Replica》
1 《死体の野犬/Corpse Cur》

-クリーチャー(11)-
1 《伝染病エンジン/Contagion Engine》
1 《地平線の呪文爆弾/Horizon Spellbomb》
1 《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》
2 《感染の三角護符/Trigon of Infestation》
1 《秘宝の腐敗/Relic Putrescence》
1 《屍肉の呼び声/Carrion Call》
1 《真っ二つ/Slice in Twain》
2 《荒々しき力/Untamed Might》
1 《闇の掌握/Grasp of Darkness》

-呪文(11)-

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