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Round 10:中村 修平(大阪) vs. Joel Calafell(スペイン)

Round 10:中村 修平(大阪) vs. Joel Calafell(スペイン)

By Atsushi Ito

 世界選手権全18回戦のうちようやく半分が終了し、ここからは後半戦に突入する。

 2nd Draftを終えての大事な初戦にフィーチャーテーブルに呼ばれたのは、初日のスタンダードラウンド3勝3敗ながら今日の1st Draftを見事3-0し、3敗ラインに踏みとどまっているレベル8魔法使い、中村である。

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 だが今シーズン現時点でプロポイント44点の中村は、来年もレベル8を維持したまま世界を飛び回るために、32位以内に入賞してプロポイント6点を獲得する必要がある。もちろんトップ8に入れるに越したことはないが、中村が設定した今回の現実的な目標はそのラインである。そして残りのドラフトラウンド3回戦をも無傷で乗り切ることができれば、目標達成に一気に近づくことは間違いない。

 そんな中村に立ちはだかるのは、スペインの若きグランプリチャンピオン、Joel Calafell。

 勝っても勝っても対戦相手は強豪ばかり。それが世界選手権の醍醐味ではあるが、今この瞬間の中村にとっては、あまりありがたい話ではない。

 だがいずれにせよ、目の前の一戦を勝たないことには話は始まらない。

 なんといってもここはまだ、折り返し地点にすぎないのだから。

Game 1

 先手のCalafellが1回マリガン。だがそんなことは意に介さずと言わんばかりに、《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》、《金のマイア/Gold Myr》と展開していく。対する中村も《鉄のマイア/Iron Myr》で遅れをとるまいとする。

 だがCalafellの3ターン目の《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》に対しては、2色目が事故っているらしい中村は4マナに達していてもターンを返すしかない。

 さらにCalafellは《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》をプレイし、金属術達成で4/6となった《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》が中村に襲いかかる。Calafellは《金屑化/Turn to Slag》をケアして《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》は装備せずエンド。

 あわやこのまま押し切られるかと思われたが、中村はここで《電弧の痕跡/Arc Trail》でCalafellの《金のマイア/Gold Myr》と《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》を奪い去る。

 土地が《平地/Plains》3枚であったCalafellはここで4枚目の土地として《山/Mountain》を置き、白赤であることが判明する。トップスピードに乗せてもらえなかったということもあり、まだ《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》は装備せず、2/4に戻った《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》がアタック。そして《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》をキャスト。

 中村はまだ2色目が引けず、《刃族の狂戦士/Blade-Tribe Berserkers》をプレイしたのみでターンを返す。

 このタイミングでCalafellは《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》を《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》に装備することを決断し、《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》と2体でアタック。中村は3/4となった《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》を即座に《鉄のマイア/Iron Myr》と《刃族の狂戦士/Blade-Tribe Berserkers》でダブルブロックし、中村のライフは12に。Calafellは《錆ダニ/Rust Tick》を追加する。

 中村は《血まなこの練習生/Bloodshot Trainee》をキャストするのみ。

 Calafellは《錆ダニ/Rust Tick》で中村の《鉄のマイア/Iron Myr》をタップ後、《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》を《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》に装備してアタック。《銀のマイア/Silver Myr》を追加する。

 ようやく2色目である《平地/Plains》を引き込んだ中村は、飛行に《拘引/Arrest》を貼るプランではなく、《マイア鍛冶/Myrsmith》から《浸透のレンズ/Infiltration Lens》を展開し、トークンを生産することを選択。しかし中村のライフは既に9、返しで《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》+《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》の飛行3点アタックを受けて6。これだけでも既に中村の復帰が間に合うか怪しいのに、Calafellはさらに《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》を展開。後続が尽きない。

 中村に何もなければ地上も飛行も不利なコンバットになる盤面だが、一応事故が解消したはずの中村は何もせずターンを返す。あからさまに怪しく4マナを構える中村に対し、Calafellは何があるのかじっくり時間をかけて見極めようとする。

 少考ののち、先制攻撃を得られる《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》をアタックさせず、《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》1体だけがアタック。中村はこれを《正義の施行/Dispense Justice》で撃退する。2体アタックなら金属術で嵌っていたところだが、Calafellが読みきってうまくかわした形。さらに戦闘後に《オーリオックの太陽追い/Auriok Sunchaser》をプレイするCalafell。当然金属術は達成済だ。ライブラリの上からは次から次へと後続が降ってくる。

 中村は今度こそ1枚しかない《平地/Plains》を使って《存在の破棄/Revoke Existence》で《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》をリムーブしてみるが、Calafellはおかわりの《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》を追加し、《オーリオックの太陽追い/Auriok Sunchaser》のアタックで中村のライフが2。

 飛行を持ったクリーチャー2体に対処しなければならなくなったため、中村はドローを見るや、使う機会を失った《拘引/Arrest》を抱えたまま投了した。

中村 0-1 Calafell

Game 2

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 中村は先攻を選択。Calafellは再びのマリガン。

 Calafellの《恐慌の呪文爆弾/Panic Spellbomb》に対し、中村は《銅のマイア/Copper Myr》から3ターン目《血まなこの練習生/Bloodshot Trainee》。

 《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》プレイに対して中村は《浸透のレンズ/Infiltration Lens》をマナマイアに装備して2体でアタック。1ゲーム目を見る限りかなりアグレッシブな構成のCalafellのデッキに対し、有利とはいえ中村は積極的にダメージレースを作りにいく姿勢を見せる。Calafellはドローされることを嫌って2体ともスルー。

 中村の土地は順調に伸びている一方、土地が3枚で止まっているCalafellはひとまず《金のマイア/Gold Myr》をプレイする。《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》がアタックしてエンド。

 これに対し中村はダメージレースを嘲笑う《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion》をプレイ。2体のアタックで7点を受けCalafellのライフは10。

 Calafellは《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》をキャストし、4/6というサイズで《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion》をきっちり受け止めようとする。

 が、ここで中村は《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton》をプレイして《血まなこの練習生/Bloodshot Trainee(FUT)》に装備する!!

 このコンボと《浸透のレンズ/Infiltration Lens》によりどうブロックしても不利になるCalafellは《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion》のアタックを1回スルーせざるをえない。残りライフは5点。

 返しのターンでCalafellは《存在の破棄/Revoke Existence》を《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton》にプレイするが、《血まなこの練習生/Bloodshot Trainee》が置き土産に《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》に-1/-1カウンターを4個乗せ、依然《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion》が止まらない盤面。《浸透のレンズ/Infiltration Lens》で2ドローされることも厭わず、チャンプブロックするしかない。《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》をダメ押しに用意する中村。

 これはさすがに畳むか・・・と思われたところでCalafellは切り札の《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》をプレイ!!

 だが、《浸透のレンズ/Infiltration Lens》による2ドローで中村は《金屑化/Turn to Slag》を引き入れていたのだった。

中村 1-1 Calafell

Game 3

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 再びCalafellの先手に戻るが、Calafellは土地1枚で三度マリガンを強いられる。しかし6枚の手札は土地3枚に《金のマイア/Gold Myr》、《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》と強力なもの。これに対し、中村は2ターン目に《マイア鍛冶/Myrsmith》をプレイする。

 Calafellは1ゲーム目同様3ターン目に《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》をプレイ。対する中村は《鉄のマイア/Iron Myr》プレイからトークンを1体生産。対してCalafellはマナカーブ良く《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》まで展開する。

 だがここで再び中村の《電弧の痕跡/Arc Trail》が突き刺さった。《金のマイア/Gold Myr》と《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》を失い、盤面には《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》のみ、手札もわずかとなったCalafellに対し《太陽槍のシカール/Sunspear Shikari》を追加してターンを返す中村。盤面は一応拮抗しているものの、完全に中村のペースのように見える。

 Calafellは中村のぶん回りに思わずため息を漏らしつつ、《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》を《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》に装備し、《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》にたどり着くための守りを固める。中村は《金屑化/Turn to Slag》を持っていたが、2ゲーム目に見た《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》の存在を考慮してこれに安易に使用せず、《血まなこの練習生/Bloodshot Trainee(FUT)》を展開するのみでターンを返す。

 Calafellはトップから《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》を展開。対する中村は《炉の式典/Furnace Celebration》を設置するが、噛み合うカードを引いておらず、この先への伏線とする。

 ようやくCalafellが6マナ目に辿り着き、初手から握っていた《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》がプレイされる・・・が、これには先ほどから中村が抱えて使わなかった《金屑化/Turn to Slag》がきっちり合わせられる。

 しかしここまで有利な交換を続けてきたものの、若干土地を引きすぎており《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》の飛行クロックが止まらない中村。《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》を前にダメージレースも仕掛けられないまま、ライフ10まで削られ、さらに《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》が追加される。

 ここでようやく《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》をドローし、中村は均衡状態に引き戻そうと目論む。

 Calafellはまず《クローンの殻/Clone Shell》をキャスト。金属術で飛行を持った《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》が中村の《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》と相打ちになり、Calafellの《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》が独り空を駆けて中村のライフは再び10。依然飛行のクロックは止まっていない。

 ここでようやく中村は有効牌といえる《マイアの感電者/Myr Galvanizer》をドロー。2ターン目の《マイア鍛冶/Myrsmith》のおかげで中村の場には数体のマイアトークンが並べられており、クロックが一気に膨れあがる。もちろんCalafellの場にも《クローンの殻/Clone Shell》と《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》が待ち構えてはいるが、中村はこのまま構えていたらジリ貧と判断し、21点を残るCalafellに対してフルパンチから地上と飛行の殴り合いを仕掛けにいく。

 Calafellの《クローンの殻/Clone Shell》が《マイア鍛冶/Myrsmith》と相打ちになり、Calafellは一気に残り11点に。だが墓地に落ちた《クローンの殻/Clone Shell》からは《錆ダニ/Rust Tick》が出てくる。

 冷静なCalafellは2/2の群れとの殴り合いは不利と判断し、《ケンバの空護衛/Kemba's Skyguard》も殴らずにターンを返す。

 中村はひたすら土地しか引いていないため、Calafellが何も引かないことに賭けて《マイアの感電者/Myr Galvanizer》残してフルパン。Calafellはあと5点にまで追い詰められる。

 だが無情にもCalafellはこのタイミングでトップした値千金の《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》をプレイ。《錆ダニ/Rust Tick》で中村の《マイアの感電者/Myr Galvanizer》を寝かせた上で、《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》のおかげで金属術を達成した《ガルマの保護者/Ghalma's Warden》によるカウンターアタックを仕掛ける。中村のライフも5にまで落ち込む。

 4/2先制攻撃を前にさすがに殴れない中村がターンを返すと、Calafellは中村が《正義の施行/Dispense Justice》をトップした場合のことを考えて殴るクリーチャーの数を考える。

 考えた上で、Calafellはさらにトップしていた《電弧の痕跡/Arc Trail》で中村の横に並んだクリーチャーを薙ぎ払った。その結果、ついに中村はチャンプブロックを強いられてしまう。

 《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》を除去した後の均衡した盤面・・・あるいはもっと後、フルパン2回の間にでもいいから、もう1枚多く有効なスペルを引けていれば。伏線のままゲームが終わりそうな《炉の式典/Furnace Celebration》が、せめて違うカードだったなら。

 Calafellの出鼻を挫いた隙を詰め切れないままマナフラッドに陥ってしまった中村は、最後にドローした遅すぎる《拘引/Arrest》を見て、悔しそうにCalafellに右手を差し出した。

中村 1-2 Calafell

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