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MOCS Day 2:聖域の白い島

MOCS Day 2:聖域の白い島

By Daisuke Kawasaki

 《Urza's Miter》《星霜のペンタグラム/Pentagram of the Ages》《Wood Elemental》

 これらのカードを同時に使用できる、ヴィンテージではないレギュレーションをご存じだろうか?

 伝説の瞬殺コンボであり、世界最強のチーム名にもなっている《チャネル/Channel》《火の玉/Fireball》を(運さえよければ)いくらでも組み込めるレギュレーションは?

 その答えは、『Masters Edition 4』リミテッド!

ME4 logo

 『Masters Edition』ってなに?と言う方のために簡単に説明いたしましょう。

 『Masters Edition』は、Magic Online限定で発売されているデジタル・エキスパンションだ!!と勢いよく言ってはみたものの、完全に再録カードのみで構成されているエキスパンションであり、MOでしか使えないカードというのは収録されていない。むしろ逆だ。

 つまり、MOでは使えなかったカードが収録されているセットなのだ。MOはマジックの歴史がある程度進んでから開発されたツールであり、昨今のセットは完全収録されているものの、MOリリース前に発売されていたカードは当然のようにデジタルデータ化されていなかった。

 ミラージュブロックのように、ブロックごと順々にデジタル化されていったブロックもあるのだが、当然、まったく存在しないエキスパンションも多々ある。

 それらの古いエキスパンションからのカードを再録するプロジェクトとして作成されたのが『Masters Edition』シリーズなのだ。

 最新版としてつい先日発売されたのが『Masters Edition 4』。そして、その『Masters Edition 4』を使用したドラフトが、MOCS二日目のレギュレーションなのだ。


 最近のエキスパンションはリミテッド環境を重視してデザインされる傾向があるように見受けられるが、古いセットは元々リミテッドをほとんど想定していない。そんなカードの再録で構成されたMasters Editionのリミテッドはどのような環境なのだろうか。過去のMasters Edition発売後のプレミアイベントをやりまくったという『電脳世界の鬼神』yaya3こと八十岡 翔太にきいてみよう。

八十岡 「カードが弱い」

 というわけで、いかに弱いカードをやりくりするか、がキモとなりそうだ。

 試合開始前に、リストをチェックしている浅原 晃と石村 信太朗に、それぞれのドラフト方針をインタビューしてみた。

浅原 「とりあえず、緑がやばいので緑はとらないのがいいですね。青黒か黒白が理想で、青白もまぁありですね。とりあえずできるだけアンコモンの強いカードから色をえらびたいです」

石村 「とりあえず、白青黒の3色からどれかを選びたい。赤と緑は避けたいですね」

 ということで、やはり古い時代のカードだけに、過去に「冷遇されている」とクレームがあったという伝説がある緑は避けたいようだ。

 ちなみに、せっかくだから《チャネル/Channel》《火の玉/Fireball》を赤緑で狙ってみてはどうか?という質問に対しては

石村 「そういうのは浅原さんにまかせたいです」

浅原 「まぁ、Brad Nelsonに使われたらテンションあがるでしょうね」

 と、自分自身で使うつもりはないようだ。

 MOCSは全部で12人の参加者、ということで、6人ずつのドラフト2組にわかれて、3回戦が開催されることになる。最初の組分けは、《森/Forest》と《島/Island》をランダムにピックして決められる。今回は石村が《森/Forest》、浅原が《島/Island》をピック、日本人同士であたることはないようだ。

Nelson 「(浅原に)リベンジは明日にとっておくぜ!」

 というわけで、優勝候補のBrad Nelsonは《森/Forest》のようだ。

 実際のドラフトは、誰もが「知らないカードばっかで読むのが疲れる」と言っていたということだけお伝えして、ふたりがピックしたデッキと、実際の戦績をお届けしたい。

 まずは、石村。

MOCSd2_rizer.jpg

石村 信太郎
MO Chanpionship Series / Masters Edition 4
10 《島/Island》
3 《ウルザの鉱山/Urza's Mine》
2 《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》
3 《ウルザの塔/Urza's Tower》

-土地(18)-
1 《象亀/Giant Tortoise》
2 《ドラゴン・エンジン/Dragon Engine》
1 《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》
1 《Clockwork Gnomes》
1 《機械仕掛けの鳥/Clockwork Avian》
2 《Ebony Rhino》

-クリーチャー(8)-
2 《Reconstruction》
1 《対抗呪文/Counterspell》
3 《まやかしの召喚/False Summoning》
1 《幻影の地/Phantasmal Terrain》
2 《Basalt Monolith》
2 《送還のシンボル/Symbol of Unsummoning》
1 《空飛ぶ絨毯/Flying Carpet》
1 《Staff of Zegon》
1 《Braingeyser》

-呪文(14)-

 12人の中で唯一、コモンに存在する《ウルザの塔/Urza's Tower》《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》《ウルザの鉱山/Urza's Mine》のいわゆるウルザトロンをフィーチャーしたデッキを構築してきた石村。デッキの感触を訪ねると

石村 「ピック基準を間違えました......もっと重いカードをたくさん集めるべきでしたね」

 とのこと。実際の試合が開始すると、石村から悲鳴が。

石村 「カードの効果間違えてた!」

 なんと《鼓膜破りの角笛/Horn of Deafening》の効果を、与える側と与えられる側で軽減する対象を逆に認識していたというのだ。

石村 「使われてわかりました。もともと強いとは思っていたけど、思っていたより全然強いカードでした......これを流してしまったのが敗因ですね」

 とのこと。戦績は、なんと3連敗。

石村 「とにかく構築をミスしました。やっぱり重いカードが足りなかったですね。明日がんばって巻き返せるようにしたいです」

 本戦での日本勢の不調が目立つだけに、是非とも石村には明日のスタンダードでリベンジしていただきたい。


 一方、昨日は世界中が驚いた新作コンボデッキ「KTN?」を持ち込んで、4連勝を果たした浅原。

浅原 「俺んとこ、全然レアもアンコもまともにでなかったんですけど」

 と文句を言いながら構築したのがこちらのデッキだ。

浅原 晃
MO Chanpionship Series / Masters Edition 4
17 《平地/Plains》

-土地(17)-
1 《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》
1 《アラボーンのマスケット銃兵/Alaborn Musketeer》
1 《オーサイの禿鷹/Osai Vultures》
1 《寺院の見習い僧/Temple Acolyte》
1 《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》
1 《アラボーンの強兵/Alaborn Trooper》
1 《Wild Aesthir》
1 《野生のグリフィン/Wild Griffin》
2 《Clockwork Swarm》
1 《巨大戦車/Juggernaut》
2 《原初の土/Primal Clay》

-クリーチャー(13)-
2 《治癒の軟膏/Healing Salve》
1 《神への捧げ物/Divine Offering》
2 《セラの獣小屋/Serra Bestiary》
1 《公正な運命/Just Fate》
1 《氷の干渉器/Icy Manipulator》
2 《天使の声/Angelic Voices》
1 《宿命/Kismet》

-呪文(10)-

 浅原は《天使の声/Angelic Voices》を大々的にフィーチャーした、白茶単とでも言うべきデッキを構築した。クリーチャーのスペックが低いと目される環境だけに《天使の声/Angelic Voices》による《栄光の頌歌/Glorious Anthem》効果は非常に強力だろう。

MOCSd2_AA.jpg

 1戦目は昨日と同じくMindcandyと対戦。ちなみに、このアカウントは、過去に日本に滞在しており、日本選手権出場経験もあるOliver Oksのものである。その白黒デッキとの対戦をなんとかして、2戦目では青黒デッキとマッチアップ。

浅原 「っていうか、相手のデッキ強い」

 驚くほどの枚数の《まやかしの召喚/False Summoning》と飛行クリーチャー、そして《血塗られた取り引き/Wicked Pact》で構築されたあまりにも強力なこのデッキ。

 だが、浅原には秘策があった。

 コンボである。

 サイドボーディング後、青マナが不足気味の対戦相手の《島/Island》を《氷の干渉器/Icy Manipulator》で縛り、カウンターされない場を作り出して浅原がキャストした2枚のカード。

 《孤島の聖域/Island Sanctuary》と《Mystic Decree》。

Island Sanctuary

 飛行と島渡り以外がアタックできなくなり、すべてのクリーチャーが飛行と島渡りを失う。つまり、クリーチャーが全くアタックできなくなるのだ。そして、ドローも飛ばされるのでライブラリーアウトもない。

 エンチャントに触ることのできない青黒ではどうしようもないこのコンボ。決まった瞬間、対戦相手は驚愕の表情を浮かべ、そして投了を選択した。

 という大技を繰り出したものの、Game 2で全てを出し尽くした浅原は次のGame 3に嘘のようなボロ負けをした。MOCSで初の敗北を喫する。


 その頃、Brad Nelsonは《セラの天使/Serra Angel》《ハルマゲドン/Armageddon》という懐かしの『セラマゲドン』を決め、満足した表情。結果、Nelsonは本日2-1で総合成績は5-2となった。

 浅原の第3戦は、赤緑を使用するJaberWocki。

 予想よりも大きい緑のクリーチャーと、赤のアーティファクト除去に苦戦させられるものの、なんとか1-1で迎えた3戦目。

 序盤こそダメージレースでリードしていたものの、アーティファクトクリーチャーを丁寧に除去され、大型クリーチャーに一気にまくられはじめたダメージレース。

 だが、浅原には必殺のサイドボードカードがあった。

 そのカードとは《変換/Conversion》。

 これによって、赤マナを完全にストップさせ、直接ダメージや除去をシャットアウト。そして、浅原の必殺技が繰り出される。

 そう、またも活躍する《孤島の聖域/Island Sanctuary》。

 これによって、相手の地上クリーチャーを完全にシャットアウトし、こちらは一方的に《野生のグリフィン/Wild Griffin》でダメージを与えていく。ドローが止まっても関係ない。

 関節技のようにじわじわと相手のライフを削りきり、本日2-1、総合成績を6-1とした。

浅原 「なんの罪もない俺には《孤島の聖域/Island Sanctuary》はピッタリのカードですね」

 なんにしろ、明日のスタンダードで2-2でも決勝進出がほぼ確定的な浅原。罪があるのかないのかは知らないが、活躍には期待したい。

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