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Round 11:Brian Kibler(アメリカ) vs. Kopec Mateusz(ポーランド)

Round 11:Brian Kibler(アメリカ) vs. Kopec Mateusz(ポーランド)

By Jun'ya Takahashi

 ペアリングが発表されてから僅かに数分だが、多くのテーブルには既にプレイヤー達が着席し、対戦相手と挨拶を交わしている頃。筆者が少し遅れてフィーチャーマッチ・エリアの席に向かった時、そのテーブルには音楽を聞きながら対戦相手を待つKiblerしかいなかった。

 対戦相手はまだ来ていないのかと質問すると、「さっきジャッジがやってきて、デッキリストと一緒に連れて行った」とのこと。ならば少し待つか、と席で待ち続けるものの、隣のテーブルが1ゲーム目を終えても一向に戻ってくる気配が無い。よくあるデッキリストの不備であれば、一言二言のやり取りだけですぐに帰ってくるものだが、既に10分も経過している。

Kibler 「よくあるトラブル(リストの不備等)にしては長すぎる。ってことは、ややこしいトラブルになってるってことさ」

 と、無駄にハードボイルドな雰囲気を作り出したKiblerは、何やら会得した表情でイヤホンから流れる音楽に縦ノリしていた。その後さらに数分が経過し、そんなKiblerも少し待ち疲れが見え始めた頃、対戦相手のKopecがジャッジと共にテーブルに戻ってきた。

Kibler 「長かったね。何があったんだ?」

Kopec 「本当に変なことだと思うよ。俺も初めての体験だった。何も無かったんだよ。ただのジャッジの勘違いだったんだ」

 リストに記された枚数をジャッジが2回数え間違えたらしく、その勘違いで何処の数字が違うのかを確かめるのに時間が掛かってしまったとのこと。当然なんのペナルティーも出ず、10分間の延長時間と共にマッチの開始が告げられた。

Game 1

R11_Kibler.jpg

 珍しいトラブルではあったものの、二人は短い会話をして段々とゲームを始める顔つきとなっていった。ダイスロールは20面ダイスを振ると、Kiblerが19でKopecが20を出した。Kopecは先攻を宣言すると、Kiblerはいつものように「Good choice」と呟いた。

 お互いに7枚の手札をキープし、Kopecの《燃えさし鍛冶/Embersmith》が最初のアクション。《ダークスティールの斧/Darksteel Axe》を追加して、動きの無いKiblerに先行する。
 どうにも動きの悪そうなKiblerの手札を覗いてみると、キープした理由であった《燃えさし鍛冶/Embersmith》が、Kopecの《燃えさし鍛冶/Embersmith》によってプレイできなくなってしまったようだ。

 しかし、《ダークスティールの斧/Darksteel Axe》が場に出てしまうと話は別で、4点のクロックを眺めている訳にはいかず、アーティファクトが無いことを祈ってKiblerは《燃えさし鍛冶/Embersmith》を場に送り出した。予想通り《闊歩するものの装具/Strider Harness》がプレイされ、誘発されたKopecの《燃えさし鍛冶/Embersmith》の能力によりKiblerの鍛冶は撃ち落とされてしまう。

 さらなる装備品の追加で状況が悪化したKiblerは《金属の駿馬/Chrome Steed》をブロッカーとして出すものの、《拘引/Arrest》で除去されてしまい、装具も身に付けた鍛冶は自身のパワーを5に引き上げる。

 引いてくるカードが《鉄のマイア/Iron Myr》などのタフネス1のカードばかりのKiblerが、最後の砦として《ソリトン/Soliton》をプレイすると、Kopecの《燃えさし鍛冶/Embersmith》はようやく大人しくなった。

 その後は平和な2ターンが過ぎ去り、その途中で引いた《屑鉄潜りの海蛇/Scrapdiver Serpent》を出したいKiblerは、手札に抱えていたマナ・マイアを2体場に出す。しかし、ライブラリーの上にあった《ゴーレムの職工/Golem Artisan》を出して《鉄のマイア/Iron Myr》を除去したKopecは、攻勢に回ろうとしたKiblerに対して反撃する。

 手札に呪文が《屑鉄潜りの海蛇/Scrapdiver Serpent》しかないKiblerは、次のターンのトップデッキに期待してフルタップで海蛇を出すが、手札に《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag》を隠していたKopecによってブロッカーを排除されてしまうと、次のターンが回ってくることが無い事を知った。

Kibler 「〈鍛冶〉は本当に先に出した方が有利だね」

Kopec 「特に赤い奴はそうだね」

Kibler 0-1 Kopec

Game 2

 気を取りなおして先手でスタートしたKiblerは、軽快に《金のマイア/Gold Myr》《絡み線の壁/Wall of Tanglecord》《危険なマイア/Perilous Myr》と展開したが、再びKopecの《燃えさし鍛冶/Embersmith》と顔を合わせてしまう。《金のマイア/Gold Myr》を燃やしつつ、Kopecは《刃の翼/Bladed Pinions》《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica》を並べて、地上をがっしりと固める《絡み線の壁/Wall of Tanglecord》の上からダメージを刻みにかかる。

 続くターンにKopecは《刃の翼/Bladed Pinions》を《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica》に纏わせると、壁を飛び越えて攻撃を始めた。それを見越していたKiblerは《粉砕/Shatter》で《刃の翼/Bladed Pinions》を破壊し、《危険なマイア/Perilous Myr》で《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica》をブロックする。そのまま《危険なマイア/Perilous Myr》と相打ちしてしまうと、墓地に置かれる誘発能力で鍛冶を失ってしまうKopecは、ダメージがスタックに乗る前に《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica》を生贄に捧げる事で、痛手は負ったものの最悪の結果を回避した。

 この一連の交錯によって落ちついたものの、追加の有効牌に巡り合えないKiblerを尻目に、Kopecは《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》《ダークスティールの歩哨/Darksteel Sentinel》を引きこんで着々と戦線を組み立てていく。だが、《絡み線の壁/Wall of Tanglecord》と《危険なマイア/Perilous Myr》によって守られているKiblerの防衛ラインは意外と強固で、局面は未だに傾きを見せない。

 それから2ターンが過ぎてもカードを追加できないKiblerは、Kopecの《闊歩するものの装具/Strider Harness》でその防衛ラインを破られてしまう。《危険なマイア/Perilous Myr》と《燃えさし鍛冶/Embersmith》が相討ち、壁が歩哨を止める。一気に盤上が綺麗になったが、この展開を想定していたKiblerが《金屑化/Turn to Slag》で《剣爪のゴーレム/Saberclaw Golem》を《闊歩するものの装具/Strider Harness》ごと除去したことで再び戦線は膠着した。

 だが、呪文がめくれないKiblerのライブラリーは、Kopecが《ゴーレムの職工/Golem Artisan》《ダークスティールの斧/Darksteel Axe》《拘引/Arrest》と有効打を繰り返し放つ間に、たった1枚の《粉砕/Shatter》しかKiblerにもたらさなかった。いつの間にかライフとクリーチャー達を失ったKiblerに残されていた選択肢は、対戦相手に手を差し伸べる事だけだった。

Kibler 0-2 Kopec

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