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決勝戦: Guillaume Wafo-Tapa(フランス) vs. Guillaume Matignon(フランス)

決勝戦: Guillaume Wafo-Tapa(フランス) vs. Guillaume Matignon(フランス)

By Atsushi Ito

 350人分の『世界選手権2010』という物語が幕を閉じ。

 物語を紡ぎ続ける権利を持っているのは、2人だけ。

 今日、最初はフィーチャーマッチエリアに4つあったテーブルも、残すところたった1つとなって。

 そのテーブルの隅に、2つのフランスの国旗が並び立つ。

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 Wafo-TapaとMatignon。奇しくも同じGuillaumeの名前を持った2人が、向かい合う。

 マッチアップは青黒同型。

 それだけではない。2人のデッキは、サイドボードなど細部に至るまでほとんど瓜二つだ。

 それもそのはず、このレシピは彼らが共同制作したものなのだ。

 今回の世界選手権のために、議論を交わし、互いに切磋琢磨し、健闘を祈りあった調整相手が、決勝戦の相手となる。

 その奇跡。その軌跡。今まさに戦わんとする彼らの胸中は、どれほど複雑で、どれほど感慨深いことだろうか。

 だが、2人がデッキをシャッフルする姿からは、微塵の躊躇いも感じられない。どれだけ仲の良い相手でも、譲れない舞台がある。

 今年のフランス選手権の準決勝では、Wafo-TapaがMatignonのプロポイントのためにトスをしたといったエピソードもあり、因縁浅からぬ2人だが、Matignonはもちろん、今回はWafo-Tapaも勝利を譲る気はないようだ。

 なお、既にフランス代表としてプロポイント2点を上乗せしているMatignonが勝てば、PoYレースはBrad Nelson(アメリカ)とMatignonとのタイブレークとなる。

 NelsonのPoY受賞を祈って見守るアメリカ勢や、2人の知り合いとして両者の戦いを応援するフランス勢、惜しくも敗れ去っていった様々な国のプレイヤーたち・・・そしてホスト国である日本の人々。

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 世界中から会場に集った、国籍はバラバラでも同じようにマジックを愛するたくさんの人が見守る中で、世界選手権の決勝戦が、今始まった。

Game 1

 Wafo-Tapaの先手。マリガンで手札6枚のMatignonに対し、1ターン目から《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》で攻めたてる。

 しかし公開されたMatignonの手札は、《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》《島/Island》《沼/Swamp》《霧深い雨林/Misty Rainforest》そして《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》。いわゆる『スカ』である。

 しかも返しにMatignonが放ったのは《強迫/Duress》。これによってWafo-Tapaの《定業/Preordain》《定業/Preordain》《島/Island》《島/Island》《沼/Swamp》から《定業/Preordain》が1枚落とされる。その後、数ターンは《定業/Preordain》やドローゴーが続く。

 5ターン目にMatignonが《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》に《マナ漏出/Mana Leak》を撃たせた上で《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を通すが、返しにWafo-Tapaはきっちりこれを相殺。レシピがほとんど同じだけに、一進一退の攻防が続く。

 だが、MatignonはWafo-Tapaの手札が少ない上にメインボードの無駄牌を多めに引いているのを見越して、8ターン目におもむろに《墓所のタイタン/Grave Titan》をプレイし、これが通ってしまう。

 Wafo-Tapaは《弱者の消耗/Consume the Meek》で時間を稼ぎ、自分も《墓所のタイタン/Grave Titan》を引き込むのに賭けるしかないが、そんなわずかな希望を打ち砕くようにMatignonがキャストしたのは、2枚目の《墓所のタイタン/Grave Titan》。

Wafo-Tapa 0-1 Matignon

 ここでWafo-Tapaは以下のようにサイドボーディングした(ということは、Matignonも概ね以下の通りだろう)。

out
2 《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
2 《弱者の消耗/Consume the Meek》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《海門の神官/Sea Gate Oracle》
in
3 《記憶殺し/Memoricide》
1 《強迫/Duress》
1 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
1 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》
1 《冷静な反論/Stoic Rebuttal》
1 《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》
Game 2

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 土地4枚に《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》《冷静な反論/Stoic Rebuttal》《記憶殺し/Memoricide》という初手をキープしたWafo-Tapa。対するMatignonは土地1枚の初手をWafo-Tapaに開示し「これキープかな?」とおどけてみせる。

 しかしマリガン後にMatignonが繰り出した《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》がWafo-Tapaから《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を奪うと、1ゲーム目同様しばらく《定業/Preordain》とドローゴーのみのターンが続く。

 だが、Matignonが5ターン目に繰り出した《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》は《冷静な反論/Stoic Rebuttal》、《強迫/Duress》は《マナ漏出/Mana Leak》して、その返しのWafo-Tapaのターン。

 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》《強迫/Duress》《記憶殺し/Memoricide》とあるところで、Wafo-Tapaは《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》をプレイ。Matignonに《取り消し/Cancel》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《地盤の際/Tectonic Edge》とあるところから《取り消し/Cancel》を奪い、さらに《記憶殺し/Memoricide》で《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を指定、Matignonの勝ち手段をほぼ《墓所のタイタン/Grave Titan》のみに絞る。

 Matignonの土地は5枚、手札は《地盤の際/Tectonic Edge》のみ。さすがにWafo-Tapaが一本取り返したか、と誰もが思ったところで。

 Matignonは《墓所のタイタン/Grave Titan》をトップデッキ!!

 Wafo-Tapaも返しで土地さえ引ければ《墓所のタイタン/Grave Titan》が間に合うのだが、ここでのドローは《マナ漏出/Mana Leak》。噛み合わない。

 すかさずMatignonが2枚の《地盤の際/Tectonic Edge》でWafo-Tapaの逆転の芽を摘み取った。

Wafo-Tapa 0-2 Matignon

Game 3

 ここでWafo-Tapaが意地を見せる。

 3ターン目に《強迫/Duress》でMatignonの《取り消し/Cancel》を奪い去ったことで、4ターン目に《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が着地。これはMatignonが即座に相殺するが、Wafo-Tapaはさらに《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を出しつつ、Matignonの唯一の黒マナ源であった《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》を《地盤の際/Tectonic Edge》で破壊する。

 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》にじわじわアドバンテージ差をつけられていくMatignon。

 Wafo-TapaはさらにMatignonの《海門の神官/Sea Gate Oracle》に《マナ漏出/Mana Leak》を放ってMatignonをフルタップにさせ、この隙に《墓所のタイタン/Grave Titan》を通す。

 Matignonも返しで《墓所のタイタン/Grave Titan》を出すが、Wafo-Tapaが《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を使いきってからプレイした《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に手札に戻される。

 仕方無しにまた出し直すも、再び手札に戻されてのWafo-tapaの《記憶殺し/Memoricide》でMatignonの《墓所のタイタン/Grave Titan》は全てゲーム外に取り除かれ、Wafo-Tapaの《墓所のタイタン/Grave Titan》を止める術がなくなってしまうのであった。

Wafo-Tapa 1-2 Matignon

Game 4

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 ようやく後手になったWafo-Tapa、土地6枚と《定業/Preordain》という手札を見て少考の後これをキープする。

 しかし、Matignonの2ターン目の《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》で引き入れていた《冷静な反論/Stoic Rebuttal》を抜かれるとともに、弱い手札が白日の元に晒されてしまう。

 さらに残った《定業/Preordain》も《マナ漏出/Mana Leak》して、Matignonは悠々と4ターン目に《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をプレイ。Wafo-Tapaはトップデッキした《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》でかろうじてこれを相殺する。

 だが、続いてトップした《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》が《剥奪/Deprive》され、返しにMatignonの《記憶殺し/Memoricide》でWafo-Tapaの《墓所のタイタン/Grave Titan》が根こそぎライブラリから抜かれてしまい。

 Matignonは《強迫/Duress》で安全確認してから、もはやWafo-Tapaにはどう足掻いても対処不能となった《墓所のタイタン/Grave Titan》をプレイしたのだった。

Wafo-Tapa 1-3 Matignon

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 ゲームが終わった直後、2人はハイタッチをした。

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 まるで、『この決勝のゲームは俺たち2人の力で成し遂げたんだ』と示すかのように。

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 世界選手権優勝は、Guillaume Matignon!!

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