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第25回:日本選手権直前特集・Drafting!!

第25回:日本選手権直前特集・Drafting!!

 今週末はついに日本選手権が開催されます。

 全国の予選を通過した猛者達や日本在住のプロプレイヤー、レーティングによる招待者達が日本一を目指して京都に集まります。

 今年は一体どんな熱い戦いが繰り広げられるか今から楽しみですね。

 さて今回は週末に日本選手権を控えているので、今年の日本選手権のリミテッドフォーマットであるエルドラージ覚醒ドラフトの主なアーキタイプの紹介をしたいと思います。

 とはいえ、エルドラージ覚醒が発売されてから時間も経っており、各種リミテッド記事やプロツアー・サンファンのような大きいイベントもあったので皆さんのエルドラージ覚醒ドラフトの環境理解度はかなり高いと思います。今週末の日本選手権の前にちょっと環境のおさらいを、という感じで見てください。

 ではさっそく各アーキタイプの紹介に移りましょう。


青白レベルアップ


 エルドラージ覚醒の新能力、レベルアップを主軸においたアーキタイプです。

 青と白の各種レベルアップ持ちのクリーチャーとそれらのレベルアップをサポートする《敬慕される教師/Venerated Teacher》やサイズの上がる《勇者のドレイク/Champion's Drake》などのカードが主戦力となります。

 アーキタイプとしては、かなり早めのビートダウンで1ターン目から動いて相手の防御が間に合う前に勝負をつけられる速さを持っています。レベルアップクリーチャーのコストは基本的に軽いのでどんどん展開してどんどんレベルアップという分かりやすい動きですね。

 青白という色の弱点として相手のシステムクリーチャーに触りにくいというのがあります。白青共に直接的な除去が無いので相手の爆弾カードに対処できないということが弱点といえます。

このアーキタイプのオススメカード

 このアーキタイプにおける《英雄の時/Time of Heroes》は非常に強力です。自軍のサイズがいきなり二回りも大きくなるのは2マナのエンチャントとしては破格の強さで、正にこのアーキタイプのためにあるといっても過言ではないカードです。


青黒レベルアップ


 上記青白レベルアップの白の部分を黒に変えたアーキタイプ。

 青白との決定的な違いはデッキが早くないことです。

 その理由は、黒のレベルアップクリーチャーのレベルアップにかかるコストが白のレベルアップクリーチャーと比べて少々重くなっていることです。そこでマナが必要になってしまう分、分ゲームが遅くなりがちです。

 ただ《敬慕される教師/Venerated Teacher》が絡んだときだけは一気に速い展開をすることができその時の爆発力は青白よりも高いものになっていますね。

 また青白と違って黒の除去を使えることにより相手のカードに対する対応力が上がっているのも魅力のひとつですね。

このアーキタイプのオススメカード

 レアですが《訓練場/Training Grounds》ですね。

 《敬慕される教師/Venerated Teacher》以上にデッキの動きをサポートしてくれるのに加え、以前紹介した《訓練場/Training Grounds》+《ゾフの影/Zof Shade》のコンボも狙えたりとあるとないとでだいぶ違う1枚ですね。

 このアーキタイプは先日のプロツアー・サンファンの決勝ラウンドでGuillaume Matignon選手が組んだデッキがほぼ理想に近い仕上がりになっているのでそちらも参考にしてみてください。

Guillaume Matignon
プロツアー・サンファン / 決勝ドラフト
9 《島/Island》
9 《沼/Swamp》

-土地(18)-
1 《バーラ・ゲドの蠍/Bala Ged Scorpion》
1 《死者のインプ/Cadaver Imp》
1 《勇者のドレイク/Champion's Drake》
1 《霜風の発動者/Frostwind Invoker》
1 《グール・ドラズの暗殺者/Guul Draz Assassin》
1 《灯台の年代学者/Lighthouse Chronologist》
2 《虚身の勇者/Null Champion》
1 《空見張りの達人/Skywatcher Adept》
2 《敬慕される教師/Venerated Teacher》
2 《ゾフの影/Zof Shade》
1 《ズーラポートの処罰者/Zulaport Enforcer》

-クリーチャー(14)-
1 《剥奪/Deprive》
1 《絶望の誘導/Induce Despair》
1 《睡眠発作/Narcolepsy》
2 《先読み/See Beyond》
1 《訓練場/Training Grounds》
2 《血の復讐/Vendetta》

-呪文(8)-

赤緑エルドラージ


 エルドラージ覚醒のテーマであるエルドラージを主軸においたアーキタイプを続いて紹介していきましょう。まずは、赤緑の組み合わせです。

 基本的にはエルドラージクリーチャーと落とし子トークンを出すカード、トークンをサポートするカードの3種類が主な構成パーツで、それにマナ加速や除去を加えるのがオーソドックスな構成ですね。

 基本的な戦い方は落とし子トークンを並べ素早くエルドラージクリーチャーを出すか、《溶岩気の発動者/Lavafume Invoker》や《大群守り/Broodwarden》のような落とし子トークン達にパワーを与えるカードを出して戦います。

 エルドラージクリーチャーはコモンに《ウラモグの破壊者/Ulamog's Crusher》しかいませんが十分に強いので積極的にピックしましょう。重いカードだから後からでも流れてくると思ってドラフトすると取れなかったときに悲惨なことになります。2枚以上とっていても、ちゃんと活躍するので早めにピックして問題ありません。個人的には3手目くらいからピックしてもいいと思っています。

このアーキタイプのオススメカード

 《エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher》ですね。オススメというかこのアーキタイプの必須カード言ってもいいでしょう。

 エルドラージクリーチャーを早く出す場合でもトークンで戦う場合のどちらでも重宝するのでこのアーキタイプを組む場合は絶対に欲しい1枚です。


黒緑エルドラージ


 上記の赤が黒に変わったアーキタイプ。デッキの構成動き共にほとんど一緒です

 赤との大きな違いは単純なクリーチャーの質が上がることで、シナジーだけでなく個々のカードパワーで戦うことができるのが黒の強みです。黒にはコモンのアタッカーが多いですからね。

 また《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》はトークンによってサポートされるカードで、トークンさえ出ていれば盤面のクリーチャー同士による戦闘を非常に有利に運ぶことができます。

Paulo Vitor Damo da Rosa
プロツアー・サンファン / 決勝ドラフト
7 《森/Forest》
11《沼/Swamp》

-土地(18)-
1 《尊大な血王/Arrogant Bloodlord》
1 《コジレックの職工/Artisan of Kozilek》
2 《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》
1 《大群守り/Broodwarden》
2 《戦慄の徒食者/Dread Drone》
1 《ジャディの生命歩き/Jaddi Lifestrider》
1 《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》
1 《ニルカーナの亡霊/Nirkana Revenant》
1 《虚身の勇者/Null Champion》
1 《オンドゥの巨人/Ondu Giant》
1 《ウラモグの手先/Pawn of Ulamog》
1 《骸骨のワーム/Skeletal Wurm》
1 《野心の発動者/Wildheart Invoker》

-クリーチャー(15)-
1 《目覚めの領域/Awakening Zone》
1 《死骸孵化/Corpsehatch》
1 《夢石の面晶体/Dreamstone Hedron》
1 《本質の給餌/Essence Feed》
1 《最後の口づけ/Last Kiss》
2 《血の復讐/Vendetta》

-呪文(7)-

 ちなみに先日行われたプロツアー・サンファンの決勝ドラフトを制したのはこのアーキタイプでした。今週末もよく見るアーキタイプになると思います。

このアーキタイプのオススメカード

 《ウラモグの手先/Pawn of Ulamog》です。

 序盤の戦闘でトークンを生成できるのと《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》とのシナジーも期待できるカード。

 相打ちしたクリーチャーがマナ加速の役割も果たすのでこのアーキタイプにはぴったりのカードですね。


赤黒ハスク


 ハスク、というのは、《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》のことで、そこから同じ能力を持ったクリーチャーをまとめて『ハスク』と呼ぶことが多いです。このエルドラージ覚醒環境でのハスクと言えば、《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》。

 このアーキタイプは赤黒の《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》を最大限に活用するアーキタイプです。上記の《ウラモグの手先/Pawn of Ulamog》や《エムラクールの孵化者/Emrakul's Hatcher》などのカードとあわせて、《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》を最大限にバックアップして戦います。

 《裏切りの本能/Traitorous Instinct》とのコンボも魅力ですね。

 色的に赤と黒の両方の除去が使えるので相手のクリーチャーに対する対応力は高いです。

このアーキタイプのオススメカード

 《ゴブリンのトンネル掘り/Goblin Tunneler》です。

 《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》に能力を使い、それから攻撃すれば大ダメージを期待できます。

 《血の座の吸血鬼/Bloodthrone Vampire》以外にも《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman》などともコンボります。見ため以上に使い勝手のよいカードですね。


赤青防衛


 先週も紹介したアーキタイプなので詳しくは先週の記事をどうぞ。

 補足としてこのアーキタイプは必須カードを以下に安く取るかが重要です。

 《孔の歩哨/Vent Sentinel》はこのアーキタイプでしか使うことが出来ないようなカードなので必然的に遅めに流れてきますし、他の各種壁クリーチャーも使いにくいので遅くまで流れてきます。それがこのアーキタイプの利点ですね。

 ただ単純に《孔の歩哨/Vent Sentinel》がパックから出ないということもあるのでそこは注意が必要ですね。最低でも3枚は必要なので、このアーキタイプを狙うなら一番最初の《孔の歩哨/Vent Sentinel》だけは早めにピックしてもよいでしょう。

このアーキタイプのオススメカード

 《戦争売りの戦車/Warmonger's Chariot》です。

 《孔の歩哨/Vent Sentinel》が対処されてしまったときの別の勝ち手段として重宝します。壁クリーチャーは攻撃できない分サイズが高いものが多いので《戦争売りの戦車/Warmonger's Chariot》で攻撃できるようになると途端に頼もしいクリーチャーになります。

 《オーガの歩哨/Ogre Sentry》あたりに装備するのがオススメですね。


赤青反復


 エルドラージ覚醒の新能力「反復」を活用したアーキタイプです。

 青赤防衛とは違い反復と相性の良い《窯の悪鬼/Kiln Fiend》で積極的にライフを狙いに行きます。

 基本的には《窯の悪鬼/Kiln Fiend》と《ひずみの一撃/Distortion Strike》のコンボでプレッシャーをかけつつ相手の脅威に対しては青のカウンターや赤の除去カードで応戦するといった戦法をとります。

 呪文の種切れは《現実離れした回顧/Surreal Memoir》や《記憶の壁/Mnemonic Wall》を使って回避します。このような呪文デッキで使う《現実離れした回顧/Surreal Memoir》は非常に強いですね。

 このアーキタイプは《ひずみの一撃/Distortion Strike》の枚数にかかっているので《ひずみの一撃/Distortion Strike》は積極的にピックするようにしましょう。

このアーキタイプのオススメカード

 《窯の悪鬼/Kiln Fiend》が対処されたときの別のフィニッシャーとして《ヴァラクートの火猪/Valakut Fireboar》をオススメしたいです。

 《窯の悪鬼/Kiln Fiend》と《ひずみの一撃/Distortion Strike》だと反復もあわせて10点のダメージですが《ヴァラクートの火猪/Valakut Fireboar》なら14点のダメージを叩き出すのは偉いですね。


白緑オーラ


 エルドラージ覚醒の新能力である「族霊鎧」を使ったアーキタイプです。

 核となるクリーチャーは《オーラのナーリッド/Aura Gnarlid》でこれに族霊鎧をつけて戦うのが基本の戦略です。族霊鎧は除去に体制があるのでエンチャントさえしてしまえば除去される心配がなく安心してプレイできます

 このアーキタイプで使う《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest》は非常に頼もしいのですが白緑だけだと持ってこれるカードの幅が狭いので、《睡眠発作/Narcolepsy》や《ドレイクの陰影/Drake Umbra》のために青をタッチすることが多いです。

 また族霊鎧つきのクリーチャーを《護衛の任務/Guard Duty》や《睡眠発作/Narcolepsy》で対処されたときのために、《帰化/Naturalize》や《啓蒙/Demystify》といったサイドボード用のカードもピックしておきたいですね、

このアーキタイプのオススメカード

 レアですが《コーの精霊の踊り手/Kor Spiritdancer》です。

 能力が全てデッキの方向性とかみ合っていてドラフト序盤でこれを見たらこのアーキタイプを始めても良いくらいのカード。

 2マナなので序盤からプレッシャーをかけられるのも○。


多色系


 多色系は2種類に分類されます。

 まずはプリズム系。

 《予言のプリズム/Prophetic Prism》を使った多色デッキで各色の色マナコストの拘束が緩いパワーカードを使う戦略です。

 このアーキタイプはプリズムを何枚取れるかにかかっているのでドラフト中は《予言のプリズム/Prophetic Prism》を見たら取るくらいの気持ちでピックしてもいいでしょう。

 《進化する未開地/Evolving Wilds》も《予言のプリズム/Prophetic Prism》の次に欲しいカードですね。

 とにかく色マナの確保を優先してあとは色を気にせず強いカードを取ることができます。せっかく流れてきた強いカードを色が合ってないからという理由で流さなくていいので気持ちよくピックできます。

 次に緑系。

 エルドラージ覚醒環境は緑の土地サーチカードがコモンに《成長の発作/Growth Spasm》と《オンドゥの巨人/Ondu Giant》の2類があるので色をタッチしやすいです。

 土地サーチの枚数次第で緑系のデッキなら色のタッチも簡単に出来るようになっているので使ってない色の除去をタッチで使うというのが感単に出来るのが魅力です。上記の赤緑や黒緑は使ってないもう片方の色をタッチして除去の水増しをするのがよくありますね。

 またサーチカードの枚数や《予言のプリズム/Prophetic Prism》があれば4色目に手を伸ばすことも可能です。


 ざっと挙げただけでこんなにアーキタイプが出てくる環境も珍しいですね。

 まだここに上がってないようなアーキタイプもあると思うので週末の日本選手権に向けてどんどん練習しましょう。

 参加される方は今週末の日本選手権に向けて追い込みの時期に入っていると思います。

 構築とリミテッドの混合フォーマットなので練習も大変だと思いますがそれは皆同じ条件。出来るだけのことをやりましょう。

 大きなイベントの前の練習もマジックの醍醐味のひとつですからね。

 それでは今週末、京都の会場でお会いしましょう。

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