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第34回:トップ3をねらえ!

第34回:トップ3をねらえ!

 今週末は今年3回目のプロツアー、プロツアー・アムステルダムが開催されます。

 プロツアー・アムステルダムは、使えるカードプールが大幅に変更されたことでまったく新しい環境となったエクステンデッドと、基本セット2011×3のブースタードラフトによって行われます。

 エクステンデッドに関してはこの記事の専門外なので高橋優太さんの記事や今週更新予定の津村健志さんの記事を見てもらうとして、この記事ではリミテッド部門である基本セット2011ドラフトについて書かせていただきます。

 といっても基本セット2011が発売されてからそれなりに時間が経っているのでみなさんもある程度の環境理解はできていると思います。何色が強いだとかこのレアが強いだとかに関しては、この記事でもすでに何回か取り上げているテーマですしね。

 ただ、リミテッドでのコモンの強さに関してだけはは個人個人でかなり違うことが多く、プロの間でも意見が分かれています。実際に自分の周りでも様々な意見が出てます。

 そこで、今回はひとつの例として、僕の考えている各色コモンのトップ3を紹介したいと思います。あくまでも主観であり、意見の違う方もいるかもしれませんが、参考として見てください。なお、twitter上で意見を出して議論してもらえるとよりリミテッドを楽しめるのではないかと思います。



1位:《平和な心/Pacifism》

 白のトップコモンは《平和な心/Pacifism》。最近の基本セットの白の定番カードですね。書いてあることも分かりやすく相手の脅威に対しての簡単な回答となります。

 ただしサイドボートから《帰化/Naturalize》などを投入され、剥がされたりすることもあるので2本目以降は少しだけ注意が必要です。それでも十分な強さですけどね。

2位:《目潰しの魔道士/Blinding Mage》

 白のNo2。《平和な心/Pacifism》と悩みましたがこちらを下げました。理由としては相手のクリーチャー除去によって対処されるため、確実性で少し劣ってしまうことがあげられます。

 《平和な心/Pacifism》と違い相手から見たら対処手段が豊富なのでいつでも活躍ということは期待できません。何ターンも生き残れたら確かに強力ですが除去のないデッキを期待してしまうのはちょっと危険だと思います。

 非常に強力なカードなのは間違いないのですが、とにかく、相手に対処されやすいという点が《平和な心/Pacifism》との大きな差です。

3位:《戦隊の鷹/Squadron Hawk》

 これはピックできた枚数によって強さがどんどん変わっていくカードです。

 最初の1枚こそただの2マナ1/1飛行という頼りないカードですが2枚目以降の枚数ごとに強さが飛躍的に上がっていきます。

 3枚目以降のの《戦隊の鷹/Squadron Hawk》に至っては上記の2枚よりも優先してよいカードになりえます。集めれば集めるほど強くなっていくので《戦隊の鷹/Squadron Hawk》をかき集めるというドラフト戦術も存在します。

 集めた枚数だけクリーチャーが並ぶので《鼓舞する突撃/Inspired Charge》との相性も良いですね。



1位:《予感/Foresee》

 青のトップは《予感/Foresee》。基本セット2011環境はあまり早い環境ではないのでこのように確実にカードアドバンテージを取れるカードは非常に重要です。最大で6枚分ライブラリーを掘ることができるのでデッキの中の爆弾カードにたどり着きやすくなるのも偉いですね。

 青は序盤から攻めたてるようなカードには恵まれていないので《予感/Foresee》のようなカードでしっかりとアドバンデージを取りながら戦う戦略が良いように思えます。

2位:《巻物泥棒/Scroll Thief》

 青のNo2は《巻物泥棒/Scroll Thief》。先週の記事でも書きましたが、このクリーチャーの与えるプレッシャーは非常に大きく、コモンの中でも、かなり相手に出されたくないクリーチャーです。

 また、このカードと相性の良いカード(まさに先週紹介したコンボ・デッキですね)も多く、ピックの中心となりうるカードなので、なるべく率先してピックしたいですね。

3位:《霊気の達人/AEther Adept》

 青の3番手はこれ。《蒼穹のドレイク/Azure Drake》と悩みましたが相手のカードに触れられるカードを優先しました。

 書いてあることも分かりやすく、昔あった《大クラゲ/Man-o'-War》の色マナが濃くなったカードです。

 とにかくこのカードのテンポの取り方はすごくてどんなデッキで使っても仕事はしてくれますが、青白の飛行ビートなんかで使うのが1番強い使い方ですね。



1位:《破滅の刃/Doom Blade》

 黒のトップは《破滅の刃/Doom Blade》。黒のトップというより全コモンの中でトップと言っていいかもしれません。

 スタンダードでも使われている優秀な除去であり相手の脅威に対してインスタントの2マナで対処できるのは非常に心強いですね。

 黒いクリーチャーにだけ対処できない欠点もありますが、使いやすさと用途の広さを考えてコモンの中のトップに挙げて良いカードです。

2位:《リリアナの死霊/Liliana's Specter》

 場に出たときに仕事をする2/1フライヤー。3マナでこの能力はリミテッドにおいて破格です。

 黒には《グレイブディガー/Gravedigger》や《墓暴き/Disentomb》のようなクリーチャーを回収するカードがあるので仕事を終えた《リリアナの死霊/Liliana's Specter》を再利用する動きはかなり強力です。

 《精神腐敗/Mind Rot》と併用して相手の手札を攻める戦略もありますね。

 今回の黒のテーマに非常にマッチしたカードなので黒をやっている場合は是非欲しい1枚です。

3位:《泥沼病/Quag Sickness》

 黒の3番手は《泥沼病/Quag Sickness》。分かりやすい優良除去ですね。

 マイナス修正が沼の数を参照するので、ある程度黒が濃いデッキで使うのが有効ですが、たとえ2色目で使ってもそれほど気にならないスペックです。

 オーラなので対処したいカードに先に貼っておいて、後から沼を追加でセットしてマイナス修正を増加するという除去にしては珍しい「先出し」ができるのもポイントですね。

 これも《破滅の刃/Doom Blade》ほどではないですが使い勝手の良い除去カードなので優先順位は高いです。



1位:《チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage》

 赤のトップは《チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage》。このカードの順位は赤のもうひとつの優良除去である《稲妻/Lightning Bolt》との単純比較となります。

 個人的意見としてはタフネス3までしか対処できない《稲妻/Lightning Bolt》よりもタフネス4まで対処できる《チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage》の方が良いと思っています。確かに1マナと4マナの違いはあるのですが、基本セット2011環境の本当に強いカードに対しては《稲妻/Lightning Bolt》では対処できない場合があります。

 《セラの天使/Serra Angel》や《ガラクの群れ率い/Garruk's Packleader》のようにタフネス4の対処しなければいけないカードに対処できる方が汎用性という意味で《稲妻/Lightning Bolt》よりも《チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage》の方が優れていると判断しました。

2位:《稲妻/Lightning Bolt》

 赤の2番手は当然の《稲妻/Lightning Bolt》。1位の《チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage》ともかなりの僅差なので当然の順位です。人によっては《稲妻/Lightning Bolt》ほうが《チャンドラの憤慨/Chandra's Outrage》よりも高いという人もいるかもしれません。確かに《稲妻/Lightning Bolt》方が1マナと軽いので構えやすいことも多いですからね。

 赤のコモンのトップ2は両方とも強力で点数も僅差なので難しいところです。

3位:《躁の蛮人/Manic Vandal》

 逆に赤のコモンの3番手となると一気にカードの質が下がります。

 《躁の蛮人/Manic Vandal》か《焦熱のヘルハウンド/Fiery Hellhound》かというあまり強くないカードで悩まなくてはいけないほどですね。

 個人的には《躁の蛮人/Manic Vandal》を推します。基本セット2011はデッキに入るレベルのアーティファクトが多数あるのでそういったカードに対するキラーカードの役割ですね。メインから《帰化/Naturalize》を入れるのは抵抗がありますが《躁の蛮人/Manic Vandal》なら最悪2/2のクリーチャーとして使えるのでメインボードからデッキに入れても最低限の働きをしてくれるのが良いですね。



1位:《耕作/Cultivate》

 緑のトップは《耕作/Cultivate》。これは緑のデッキを組む時に絶対にデッキに入れたいカードだからです。

 基本セット2011の緑はカードの質が悪く、質が良くても全体的に重いカードに固まっているのでうっかり土地が4枚くらいで止まってしまうと一気に動きが悪くなってしまいます。そういった緑のデッキに安定性をもたらしてくれるのが《耕作/Cultivate》です。

 また《耕作/Cultivate》さえあれば色の合っていない強いカードが流れてきても無理やり使うという選択肢ができるのでドラフトでも選択肢が広がります。そういったピック後の受けの広さも評価点に入って、緑の1位になりました。

2位:《大蜘蛛/Giant Spider》

 青に《蒼穹のドレイク/Azure Drake》というこのカードを馬鹿にしたようなカードがありますが、緑では《大蜘蛛/Giant Spider》はこの順位。緑のクリーチャーで環境の航空戦力に対抗できるこのカードは緑の戦術的に非常に重要です。

 《耕作/Cultivate》が緑の呪文で必要なカードであれば《大蜘蛛/Giant Spider》は緑のクリーチャーでもっとも必要な1枚と言えるでしょう。

3位:《森のレインジャー/Sylvan Ranger》

 これは追加の《耕作/Cultivate》といった感じのカードです。リミテッドにおいて1/1の地上クリーチャーにあまり価値はありませんが、それがリソースをもたらしてくれるなら話は別です。

 《森のレインジャー/Sylvan Ranger》も《耕作/Cultivate》と一緒で3色目を視野に入れてピックできるようになるカードなのでその後のドラフトがやりやすくなるという利点もありますからね。

 《耕作/Cultivate》と《森のレインジャー/Sylvan Ranger》が合計で3枚以上あれば3色以上も構築可能になるので緑はそういう戦略もありですね。


 今週末がプロツアーということもありすでに自分の中ではある程度ドラフトに関しては固まっています。

 上の順位付けがすべてではありませんが自分とはここが違うという部分を見つけてそれについて深く考察してみるのもリミテッドのスキルアップに繋がると思いますよ。

 また基本セット2011ドラフトをあまりやっていない方でも、上の順位表を見ればプロツアーのカバレージでプロプレイヤー達のドラフトラウンドのマッチも追いやすくなると思うので、カバレージを見る方は参考にしてみてください。

 それではこの辺で。

 また来週お会いしましょう。

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