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第33回:フェアリー(エクステンデッド)

第33回:フェアリー(エクステンデッド)

 いよいよ来週末に迫ったプロツアー・アムステルダム。その構築戦のレギュレーションはエクステンデッド。というわけで、今週も引き続きエクステンデッドのデッキを紹介していきます。

フェアリー
5 《島》
2 《沈んだ廃墟》
2 《涙の川》
3 《地底の大河》
4 《人里離れた谷間》
4 《忍び寄るタール坑》
4 《変わり谷》
2 《地盤の際》

-土地(26)-
4 《霧縛りの徒党》
4 《呪文詰まりのスプライト》
3 《ヴェンディリオン三人衆》

-クリーチャー(11)-
3 《祖先の幻視》
4 《苦花》
3 《謎めいた命令》
3 《見栄え損ない》
2 《精神を刻むもの、ジェイス》
4 《マナ漏出》
2 《広がりゆく海》
2 《思考囲い》

-呪文(23)-
2 《思考囲い》
3 《強迫》
1 《見栄え損ない》
3 《破滅の刃》
3 《消耗の蒸気》
2 《広がりゆく海》
1 《ジェイス・ベレレン》

-サイドボード(15)-

 大会規定の変更で一線級だったデッキが総入れ替わりとなったエクステンデッドですが、そんな中でもパーツがまるごと残ったのがこの「青黒フェアリー」。

 《思考囲い》《ヴェンディリオン三人衆》《変わり谷》などレガシー以下でも通用するパーツも多く、こうしてリストを書き出すとローウィンブロックが強力だったことが実感できます。

 ローウィンブロックの申し子とも言える「青黒フェアリー」。特に2ターン目《苦花》からの《呪文詰まりのスプライト》《霧縛りの徒党》は相手の行動を制限しつつ自分だけ攻勢に回ることが出来ます。

 《苦花》自体が除去が効きにくいフィニッシュカードであり、コントロールデッキ全般に効きます。《苦花》と各種カウンター、そして《思考囲い》《ヴェンディリオン三人衆》などの手札破壊。フェアリーは対低速デッキを得意とするデッキ構成になっています。

 逆に苦手なのはビートダウン。

 前シーズンのエクステンデッドでは「後手で《野性のナカティル》を出されるともう不利」という風に、早いデッキを苦手としてきました。《思考囲い》《苦花》など、ライフを失うカードの性質上火力呪文にも弱く、《火山の流弾》に泣かされたフェアリープレイヤーも多いでしょう。

 以前はビートダウンの最大勢力だったZooですが、大会規定の変更により《野性のナカティル》が弱体化し使われなくなった現在、速攻デッキは赤単・赤緑が多くなってきています。それらの《ゴブリンの先達》に悩まされないためにも、1マナの除去として《見栄え損ない》を採用しています。

 クロックパーミッションというデッキの性質上、フェアリーではどうやってもビートダウンにスピード負けします。《苦花》のチャンプブロックで上手くライフをコントロールしながら攻撃し、《謎めいた命令》で最後の1ターンをずらして勝つのが対ビートダウンでは多い。そんなとき、最後の数点を削るのに役立つのが《忍び寄るタール坑》。ブロックされないの能力はフェアリーのダメージレースにピッタリ。ギルドランド脱落でマナベースが弱くなっていたところにちょうど良く入る2色ランドで、タップインのデメリットが気にならないほど強い。

 そしてもうひとつ、フェアリーがワールドウェイクで得たのは《精神を刻むもの、ジェイス》。手札を使い切りやすいフェアリーにアドバンテージ要素が入るのは嬉しいことですが、特筆すべきは《霧縛りの徒党》との相性。

 《霧縛りの徒党》の覇権能力とジェイスのバウンス能力を組み合わせると、毎ターン「アップキープ霧縛り」でロック状態に持ち込めます。その他にも《呪文詰まりのスプライト》を戻して打ち消したり、《ヴェンディリオン三人衆》で手札破壊したりと、フェアリーの「戦場に出たとき○○」の能力と相性が良いです。

 新エクステンデッドで、フェアリーは強いデッキです。しかしそのフェアリーに対して、強力なアンチとなっているコンボも存在します。

 それは《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立ち》。

 再利用可能な2点火力、しかもインスタントということで《霧縛りの徒党》以外すべてを除去されてしまいます。今回のデッキが4《霧縛りの徒党》2《精神を刻むもの、ジェイス》なのも《罰する火/Punishing Fire》耐性を考えての枚数です。

 タフネス2以下を4枚のスロットで封じることが出来るというのは強く、赤緑のデッキならほぼ全てに搭載されていますね。

 スタンダードで流行している《獣相のシャーマン》《睡蓮のコブラ》をエクステンデッドで見かけないのは、この《罰する火/Punishing Fire》コンボの影響もあると思います。今シーズンのエクステンデッドを象徴する2枚になるでしょう。

 今回のフェアリーでは《罰する火》自体ではなく、回収するための土地《燃え柳の木立ち》を封じることで対策をしています。《地盤の際》《広がりゆく海》がそうですね。どのデッキもギルドランド無しだとマナベースは弱めで、《広がりゆく海》は思いのほか事故ります。《ボガードの突撃隊》《復讐の亜神》《包囲の塔、ドラン》などが出にくくなる副次効果もありますよ。


サイドボードは

《思考囲い》《強迫》

 追加の手札破壊。むかつきなどのコンボデッキ対策に。

 フェアリーは構えるターンとフルタップするターンの見極めが大事なので、手札破壊はデッキの動きに合っています。


《破滅の刃》

 《闇の腹心》も《吸血鬼の呪詛術士》もいないので、黒を除去できないデメリットが気にならなくなりました。《包囲の塔、ドラン》は除去できずとも、《血編み髪のエルフ》や《悪斬の天使》を考えるとこちら。


《消耗の蒸気》

 緑デッキリストのサイドボードに《大纏皮鹿》を良く見かけるほど、フェアリーはメタられています。《消耗の蒸気》なら《タルモゴイフ》を倒しつつ、自然に《大纏皮鹿》除去カードも入れられますね。


 2週に渡り新エクステンデッドを紹介しました。強力なコンボデッキたちが軒並み落ちた反面、強力なクリーチャーはローウィンブロック以降のものが多く、今回のエクステンデッドはクリーチャー戦がメインになるかもしれませんね。ただ、一方でクリーチャーデッキを牽制している前述の《罰する火/Punishing Fire》と《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》の存在もあります。

 この記事でエクステンデッドに興味を持っていただけたら、ぜひプロツアー・アムステルダムのカバレージもチェックし、この環境を制するのはコンボか、クリーチャーデッキか、それともコントロールデッキかを是非とも見極めてみてください。

 では、また来週。

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